まとわり憑く女@

140 本当にあった怖い名無し 2007/04/22(日) 16:54:55 ID:GtCL5HlR0
気持ちの整理がついたので、書き込んでみることにする。
俺とS、二人で葛藤するよりも、みんなに知ってもらう事により少しでも楽に
なりたいと思ったから。

6年前…消防の頃からの幼馴染でもあり、元いた会社で偶然再会を果たした
Sと飲みに行った。平日だが次の日はSが代休という事もあり、「じゃあ、朝まで
飲み歩くか!」となった。ちなみに俺はただいま独立貧乏中。
市営の安い100パーに車を止め、店までテクテクと歩く。
「S、そういえばこの間、電話出てやれなくてゴメンな。」
「あー、あの時な。ホントに大変だったよ。まぁ今も大変なのは変わりないけ
ど、T(俺の名)だったら信じてくれると思ってな。」
「ん?怖い系の話しかぁ?」

Sの家系は俗に言う「霊媒体質」だ。現在はSの兄貴夫婦が継いでいる実家の
仕事上、ソッチ系の話しのネタは尽きない。
俺も消防の頃の愛読書が「恐怖の心霊写真集」だった事もあり、根はオカルト
大好き人間だったが、以前に付き合った彼女の影響や過去に住んでいたマン
ションでの出来事以来、興味のみで話に首を突っ込むのはやめていた。


141 140 2007/04/22(日) 16:55:57 ID:GtCL5HlR0
だらだらとくだらない話をしながら店に入る。スーツ姿のサラリー二人が怖い話を
神妙に始める…こんなこと普通の店で始めたら女の子達が皆引いちまうってな
事で、入った店はいつもだったら朝方の一番最後に行くタイの店だった。

「今日は来るのはやいねぇー」エーコが相変わらずの口調で話す。
「くぇrちゅいおぱsdfghjkl;zxcvbんm!」なに言ってるかさっぱり分からん。
「歩言うytれlkjhgfd!」「fghjうぇrtxcvbぬい!」「ゆいあsdfvbんmdh!」
タイ語で何喋ってるかさっぱり分からない中、一番日本語が達者な子に俺だけ
外に連れ出される。
「なんだ?お店でなにかあったのか?」
「Sさん、ちょと違うよ!なにかあたでしょ?」
「んなことないよ、いつもどおりだよ。」
「みんな言ってるよ、女の人いる!女の人いる!って」
「はぁ?おんなぁ?」
「そうよー、わたし分からないけど、みんなが女の人いる!って言ってるよ」
「訳分かんねーけど話の内容は分かった。Sに女が憑いてるのな」
「そう、おんなのひと…」
なんだかよく分からないまま再度店内に入り席に着く。
「T、早速終わったらアフターかよ?」と、ニヤニヤしながらSが言う。
「んな話じゃねーよ・・・S!おまえっ!女が憑いてるらしいぞ!」

「わかってるよ…今日はその話をしようとしてたんだ…」

142 140 2007/04/22(日) 16:56:40 ID:GtCL5HlR0
話の内容は、普通の感覚の持ち主だったら全く信じられないような内容だった。
Sが家に帰り、スーツを脱ぎトレーナーに着替える。その後洗面所に行き手を
洗いうがいをしていると、いきなり玄関が「ガチャッ!」と開く音がする。チェーンも
外されているが家の中に人物がいた事は今まで一度たりとも無く、生身の人間
の仕業ではないだろうとの事。チェーンではなく、2重ロック式のディンプルキーに
変えたが結果は何ら変わらなかった。話は続いたが一番驚いたことは、Sはその
女の顔を知っているという事だった。

「S、お前何でそのオバハンの顔知ってるの?」
「会ったことがある。しかも家の中でな。ベッドに入ろうとした時、いきなり寝室の
ドアを爪でこするような音がしたんだ。さすがにビビッた。そしたらドアがいきなり
開いて、入ってこようとしたのがそのババァだった…無我夢中でドアを押さえなが
ら蹴りいれたら、なぜかその時は命中して吹っ飛んだにもかかわらず、肘から先
だけがドアの内側にへばりついてバタバタ暴れてた…あれは絶対人間じゃない」
「まじかよ…」


143 140 2007/04/22(日) 16:57:11 ID:GtCL5HlR0
エーコと日本語が一番達者な子(名前忘れたから仮にタイ子とする)以外、
俺らの席には女の子誰一人として着かず、結局閉店時間となってしまった。
「S、お前引っ越したほうがいいんじゃね?」
「あぁ、まぁ…な。T、もう少し飲まないか?」
「そうだな、明るくいくか?だったらエーコとタイ子誘うぞ!」
「あぁ、Tと暗く話したとこで結果変わらんからな、明るくいこっ!」

エーコとタイ子を誘い出し、開いている店を探す。さすがに平日だと見つから
なく、カラオケBOXでも行こうか?なんて話していたところ、「Sさんの家いって
みる?」とタイ子が言う。
「おいおい、タイ子おまえ話聞いてただろ?怖くないのか?」
「怖いよ!でもSさんは家に一人でもっと怖いよ!」
「S、どーするよ」
「別にかまわないよ、本気で言ってるのかな?」
「ホンキだよホンキですよー」

144 140 2007/04/22(日) 16:57:57 ID:GtCL5HlR0
残り少ないタクシーを見つけ、Sの家に向かう。エーコとタイ子はかなりの上機嫌
だった。今となって考えてみると、怖さよりも、男の一人暮らしの部屋に行く事が
嬉しかったのかも知れないが。
Sの住んでいるマンションは、少し古いが何ら見劣りすることも無く、逆にうらやま
しいと思えるくらいのマンションだ。早速エレベーターにのり、8階で降りる。
「ここだよ」
「おぅ、夜中なのに邪魔してすまない。」と、少々ビビリはいった俺。
「あぁ、いいって。俺はむしろ大歓迎だよ。エーコもタイ子もさぁどうぞ!」
玄関に入り、Sが鍵を閉めようとした瞬間、俺を見る。

「やばい…鍵がかからん…」
「下の鍵は?とりあえず半分ひねればドア全開にはならないだろっ!」
「分かってる…だめだ…びくともしない」
「俺に貸してみろっ!Sだからダメなのかもしれんっ」
Sをどかし、鍵に手を触れた瞬間!

…ドアノブが回った…

145 140 2007/04/22(日) 16:58:36 ID:GtCL5HlR0
条件反射的にドアノブを押さえつける。「絶対にいれねーぞ」と心に思いながら、
今思うと既に巻き込まれていたことも分からずに、ひたすらドアを押さえつけた。

「エーコです。あけてよー」

!?エーコだった。
じゃあ…さっき部屋に入った、タイ子ともう一人は誰だ?ほかにもう一人がこの
家にいる!俺は気が動転し、エーコの腕をつかみ無理やり抱き寄せた。
Sが土足のままリビングに走る!「こぉぉぉのやろーー!」

鍵など気にしている暇もなく、エーコを連れて慌ててリビングに向かうと、そこには
ソファに座ったタイ子を後ろから押さえつけていた、そう、「女」がいた。

まとわり憑く女Aへ続く
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