まとわり憑く女B

153 140 2007/04/22(日) 17:05:10 ID:GtCL5HlR0
タイ子が一瞬あせったような気がした。
でも、いつもどおりの口調で話すタイ子にすっかり安心した俺は、エーコを抱き
よせたまま眠ってしまった俺から無理やりエーコを離し、連れて帰ってしまった
事を気にしているのかな?なんて事しか思い浮かばなかった。
「タイ子さぁ、今日暇?昨日タイ子が寝てたときに3人で話したんだけどさ、
一度Sのお父さんのところに行こうって事になったんだ。タイ子も行くだろ?」
「わたし今日お店。無理です。エーコも無理です。」
「ん?エーコは行くって言ってたぞ。」
「はい、でも今は無理って言ってました。」
「そっか。いつ行ける?はやいほうがいいな。」

タイ子の携帯越しにもう一台の携帯が鳴った。

「Tさん、あとでね。またあとでね。」
と、タイ子はいきなり電話を切ってしまった。


154 140 2007/04/22(日) 17:05:41 ID:GtCL5HlR0
「S、エーコは今買い物行ってていないってさ。タイ子は結構普通だったよ。まぁ
大丈夫なんじゃねーの?」
「T、お前が話してる最中にエーコに電話してみたんだけど、でないぜ。」
「!!電話切った時、タイ子の後ろで携帯鳴ってた…」
「!!Tはタイ子の家知ってる?」
「知らん…」

俺はSとこれからについて話し合った。出た結論は、とりあえずSの親父のとこ
にはSと俺の二人で行くこと。帰ってきたらエーコとタイ子のいる店に今日も行く
ことだった。

足取り重く、少々気が引けながらもSの実家に向かう。なんせSの親父は
とてつもなく恐ろしい人だ。消防の頃Sの家に行った時なんか、Sが板っぱち
でバシバシ引っ叩かれてる最中にお邪魔しちゃったもんだから大変だった。
「T!お前もかぁ!つまらんもの拾ってくるからこうなるんだぁぁぁ!座れ!」

バシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシ…


155 140 2007/04/22(日) 17:07:47 ID:GtCL5HlR0
何度引っ叩かれたか分からない程引っ叩かれた記憶がある。家に半べそかき
ながら帰り、親父に言ってSの親父に文句言ってもらおうとしても、うちの親父
はなにもしなかった。逆に「ご面倒お掛けしました」なんて謝ってたくらいだ。
まぁ今となっては多少分かる。Sの親父が言ってた、「つまらんものは拾ってく
るな!」とは、「つまらんもの憑けて来るな!」と言う意味なんだろう。
背中をバシバシ叩かれたのも、俺とSとSのお母さんと3人で「折り紙」と言い
つつもハサミでチョキチョキしながら「やっこさん」、今となって人型だと気づいた
が、それをたくさん作ってたのも全てはS(俺含めて)を守るためだったのかな?
なんて今は思ったりもしている。んなもんだから、信用、信頼はしているが…
なんせ怖い。27にもなって、怖い。


156 140 2007/04/22(日) 17:08:20 ID:GtCL5HlR0
「ただいまー」「ご無沙汰してまーす。」Sと俺、玄関に入る。
「おぅ、そろそろ来る頃だと思ってた。行ったか?おまえんとこに行ったのか?」
と、親父さんがニヤニヤしながら話し出す。
「いつも来てたよ。でもとうとう昨日ホントにきやがった。Tと、飲み屋の女の子
二人巻き込んだ。」
「T君はまぁしゃーないな。女の子は?」おいおい…俺は家族じゃねーよ…
「正直言うとやばい。憑かれたかも…」
「そうか。で、その女の子は?」
「ばっくれた」
「!!馬鹿やろぉ!!なにが「ばっくれた」じゃ!つまらん言葉使いおって!
T!お前もそんな言葉使っているのかぁ!」
怒るとこちがうだろ?と思いつつ、「まぁ、ははは」などと話を逸らす。


157 140 2007/04/22(日) 17:08:55 ID:GtCL5HlR0
昼飯を食べながら、色々な話をした。結局、親父さんの話だとSと俺は昨日
のようなやばい状態には感じられないとの事だった。
さらに言われたことは、早急に女の子二人を連れてくること、引っ越したとこで
Sにしろ、タイ子・エーコにしろ、なんの対策にもならない事だった。
帰りの玄関で靴を履いている最中も親父さんは話し続けた。

「生霊は成仏せんからな。まだこれからも続くだろうよ。主が納得するまで続く
し、納得してもしまいかたが分からん人もいる。そうなると厄介そうだが、実は
そんな厄介ではない。既に害は無いし、他に興味が移れば移るほど自然に
消え行くからな。ただし今回はちがうだろうよ。見てみないとなんとも言えんが、
まぁ、はやく女の子二人を連れて来い!とにかく早く!な。」
「分かった。」「はい分かりました!」Sと俺。


162 140 2007/04/22(日) 18:14:19 ID:GtCL5HlR0
店が開く時間までSの家で対策を練っていた。タイ子の家を調べる方法や、
エーコは無事なのか、俺ら二人でエーコやタイ子を保護したとこで、当分
どうやって面倒見てくか、モロそっち系の方々が経営してる店の子達だから、
その方々達への対応とか…作戦AとB、二通りの作戦を練った。

「じゃあ一応「飲み」ってことで。さぁ!行くか。」と、Sが気合入った声で言う。
「よーし!行くか。」

店に入ると、少々時間が早かったのか女の子達も数人しかいなかった。
「今日タイ子何時にくる?エーコは何時?」と店の子に聞いてみる。
「うぇRちゅDFGHJK!」「えRちゅいおCVGBHんJM!」「TりゅいVBHんJM!」
何言ってるかやっぱり分からない。

「迎え行ったら、寝てるのか居ないのか分からないよ。出てこないよ!お兄さん
たちは知らない?」と、何回か席に着いたことのある女の子が話してくれた。
大体の予想はしてた。A作戦変更、通称B作戦開始。

A作戦はエーコをまず保護のA。B作戦は尾行のB。
店を早々に切り上げ、Sといったん別れて家に戻る。部屋内に変わった様子
がないかどうかを調べるが、変わった様子は無かった。
風呂に入り、着替えもする。少し仮眠をとり、さぁ出発!となる。

まとわり憑く女Cへ続く
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