まとわり憑く女C

163 140 2007/04/22(日) 18:15:34 ID:GtCL5HlR0
Sと店の近くで待ち合わせる。
「S、どうだった?おまえんち何か変わった様子あったか?」
「いや、大丈夫だった。何も無い」
「そっか、じゃあホントに作戦開始するぞ!」
「おう」

店が終わり、店の前にワゴン車が横付けされると女の子たちが乗り込む。
外国から来た女の子たちは、店側で用意したアパートの隣同士とかに住んで
いる場合が多い。多分、あのワゴン車の向かう先にエーコとタイ子の住んでいる
部屋がある。

アパートに着いた。俺らは手前の路地に入り、様子を伺う。みんな降りてワゴン
車が去ったのを見届けてから、作戦を開始する。
作戦とは、なんてことない簡単なこと。エーコとタイ子の携帯に電話をかけて、
着信音をアパートのドア越しもしくは窓越しに聞くという作戦だった。

まずは、連絡が取れなかったエーコに電話をかける…

聞こえた!一階の一番手前の部屋だ!


164 140 2007/04/22(日) 18:16:10 ID:GtCL5HlR0
すかさず場所から離れて、車に乗り込む。あとは、電話に出てくれるのを待つ
ばかりだ。

「はい、Tさん…」
「エーコ?エーコか?」
「はい…もうおわりね…電話するから…あとで電話するから…」
「ちょっ!エーコ!待ってくれっ!体は大丈夫なのか?無事か?タイ子は?」
「ありがとー。だいじょうぶ…だいじょうぶ…dsfghjklrちゅjhj…」

何か話しかけて電話が切れた。

強攻策で乗り込むかどうかは、電話での反応しだいだった。助けを求めてくれ
ばすかさず乗り込むつもりだったが、なにか違う。エーコはすごく悲しそうな声で
電話に出た。なにか引っかかる…
「T、どうだった?」
「つらそうだったけど、大丈夫、大丈夫って。タイの言葉で何か喋ったあとー
電話切られた。」
「なんだぁ?タイ子もエーコも何か隠してるな。よし、俺が電話してみる!」


165 140 2007/04/22(日) 18:16:48 ID:GtCL5HlR0
Sがタイ子の携帯に電話をかける。俺はその間、車の外に出て部屋の様子を
探っていたがなんら変化は無い。Sの乗る運転席を窓越しに覗くと、Sは首を
傾げながらこっちに「何か変」との合図を送ってきた。そう、なんか変なんだ…

「S、どうよ?タイ子どうだった?」
「あぁ、あれタイ子かぁ?どうもタイ子じゃない気がする…エーコだと思う…」
「え?エーコだったの?なんだって言ってた?」
「大丈夫、大丈夫って。あとで電話するーって言った後、切られた。変だな。」

部屋を見るが、相変わらず部屋の電気は点いてない。

腑に落ちないまま、俺はSと別れた。とりあえず、明日Sの仕事が終わった後
待ち合わせをする事にし、家に帰る。

あー疲れた。ホントに疲れた。なんだか仕事なんてどーでもいい気がする。それ
よりも、今はエーコとタイ子が心配だった。
面倒くさくなり、着替えもせずにそのままベッドに横になるが、全然寝付けない。
オカルト的に物事を考えてみる。するとどうやっても最悪の結果しか思いつかず、
むしゃくしゃしながら起き出しタバコに火をつけた。そのとき!


166 140 2007/04/22(日) 18:17:22 ID:GtCL5HlR0
携帯が鳴った!
なんとエーコからだった。

「Tさん、会える?大丈夫?」
「あぁ、会えるよ、今どこにいる?」
「家にいるよー、ちかくにロー○ンある。そこに行くよ。来れますか?」
「どこのロー○ンだ?場所わかんねーぞ。」と嘘をつく。
「○○○町のロー○ンです。来れますか?」
「分かった。そんなに遠くないから、すぐいけるぞ。Sはいないけどいいか?」
「いいです。Tさんに会いたいです。」

女に頼られて力のでない男なんていやしないだろ?そんときばかりはエーコの
顔しか思い浮かばなかった。待ってろ!待ってろ!口癖のように言い続けて、
Sに電話することすら頭に無かった。

ロー○ンに着いた。外でうずくまってるエーコのすぐ近くに車を止めると、エーコ
がニコッと笑った。そう、かわいい笑顔だったのを覚えてる。
車に乗せ、家に向かう。聞きたい事はたくさんある。エーコ自身のこと、タイ子
の事、Sの家を出てからの事、部屋で何してたのか、Sの親父さんのとこには
このまま明日行ってしまおうとか…


167 140 2007/04/22(日) 18:18:00 ID:GtCL5HlR0
部屋にエーコを入れる。明るい部屋でエーコの顔をまじまじと見る。少しやつ
れている気はするが、見当たる部分に外傷等はなさそうだった。

「Tさん、わたし…もう会えないよ…」と、エーコがつぶやいた。
「どうしてだ?もしかして国に帰るのか?」
「ウン…」

まぁ、日本に来てこんな変な出来事に巻き込まれたりしたら、誰もが母国に帰
りたくなるだろうなぁ・・・なんて考えたら、仕方の無いことだと思った。

エーコが抱きついてきたので、拒否はしなかった。店に行き始めて約一年で
初めてエーコと関係を持った。なんとなくエーコから「鉄」のにおいがしてたが、
女性特有の日の前後かな?って。日本人は外国に行くと「醤油くさい」って
言われているとテレビで言ってたのを思い出し、全然気にも留めなかった。

エーコと「こと」が済んだ後、タバコを吸いながら俺はぼんやりと考えてた。
何も聞かずに、起きたらこのままSの親父さんのとこに行った方がいいかな…

いや、まて!ひとつだけどうしても聞きたいことがある!


168 140 2007/04/22(日) 18:19:46 ID:GtCL5HlR0
「エーコ、今、タイ子は何してる?」
「もう行っちゃったよ…」
「はぁ?国に帰ったのか?いきなりすぎるだろ?」
「ウン…でも、行っちゃった。ホントよ。」

ずいぶんと早い展開だと思ったりもしたが、文化の違いとか就労ビザの関係か?
なんて考えていた最中に、俺はいつのまにか寝てしまった。

朝起きると、エーコは俺の隣にちゃんといた。相変わらず笑顔で、あの事件も、
俺と関係を持った事も、まるで何も無かったような屈託の無い笑顔だった。
「帰ります。いいですか?ロー○ンまでいいですか?」と、エーコが言い出す。
「いや、Sの親父さんのとこに行こう。俺とエーコだけでも行こう。」
「無理ですよ、もう無理ですよ。帰ります。乗せてください。」
「だめだ!」
「だめですっ!ホントーにもうだめです!」

エーコの気迫に押されてしまい、結局ロー○ンまで送ってしまった。結果、俺は
エーコと「やった」だけだった。

まとわり憑く女Dへ続く
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