空き部屋A

526 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:48:36 ID:2bMdqCH20
鈴の音もハッキリ聞こえます。
そしてとうとう「ソレ」は部屋に入ってきました。そしてその影が部屋に入った瞬
間、カーテンを照らし出していた光も部屋の中に入り部屋の中に私も包んだ形で丸
い光のトンネルを造ったのです。
そしてその中を亡くなったはずのおじさんが鈴を鳴らしながら入って来たのです。
そして私と目が合ってしまいました。
おじさんは「よう、ゆうぼう。久しぶりだな・・・」と言ってきましたが、その目
はうつろで生気など無く、肌の色も不気味な程白いせいで光の中では青白く、異常
に恐ろしく見えました。
私はビビリ上がってしまい何も言えないまま、おじさんを見つめていました。
「何だ、そんな怖い顔をして、何時もおじさんには元気に挨拶していたじゃない
か?」「何かあったのか?」と聞いてきました。
怖いのは死ぬ程怖いのですが、害を与えられそうもないのでなんとか声を絞り出し
「こんばんわ」となんとか答えました。
今思い出しても間抜けな受け答えでしたが、それが精一杯でした。


527 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:49:08 ID:2bMdqCH20
「ゆうぼう、おばさんを知らないか?」
「おばさんを捜したんだけど、見つからないんだ・・・」
おばさんとか、おじさんの奥さんで(あたりまえか?)あとから聞いた話だとその
晩は親戚の家に行っていたそうです。
私は当然、そんな事を知るはずもありませんから、首を振りました。
「そうか・・・・・知らないか・・・・・・・」
おじさんは視点の定まらない目でそう答え、しばらく考え込んでいましたが、何か
良い事を思い付いたように、とてもとても嬉しそうな笑顔になりました。その笑顔
は本当に嬉しそうですが、私には途轍もなく恐ろしい笑顔に見えました。
前進の感覚が麻痺するような恐怖です。
そしておじさんは言いました。
「ゆうぼう、ゆうぼうと一緒に行こう」
「そうだ、それが良い」クスクスと笑いながら私に近づいてきました。

528 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:49:42 ID:2bMdqCH20
私は涙と鼻水でグチャグチャになっていましたが、どうする事もで木津おじさんに
腕を捕まれるまで動けませんでした。
しかし、おじさんが腕を掴んだ瞬間、全身の細胞が悲鳴を上げるような、電気が駆
けめぐるような激しいショックが走り、とっさに腕を振り解き、勉強机に方に這っ
て逃げました。
おじさんは少し意外そうな顔をしながら「どうした ゆうぼう?」
「良い所に連れて行ってやると言ってるのに?」
おじさんは、そう言いながら笑顔のまま私に近づいてきます。
私はこの状況から逃げ出す為、頭をフル回転させていましたが、パニックも起こし
ていたので考えがなかなか纏まりませんでした。

529 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:50:14 ID:2bMdqCH20
廊下に逃げるには、おじさんの横を通り抜けるしか有りませんが、とてもそんな事
など出来ません。
おじさんはどんどん近づいてきます。
もうダメかと思った時、ようやく母親の話を思い出しました。
あのお守りは、あの日以降机の引き出しに入れたままのはず!その事を思い出し、
とっさにお守りを取り出しましたが、おじさんに肩を掴まれてしまいました。
また、全身にショックが走り気が遠くなり始めた時、廊下の襖が開きました。
そこに立っていたのは母でした。
母は、私に渡したのと同じお守りを持っていて、おじさんに向かって怒鳴りまし
た。

530 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:50:59 ID:2bMdqCH20
「その子を連れて行く事は、私が許しません!!」
そしてお経を唱えながら、私とおじさんに近づいてきました。おじさんはお守りを
怖がるかのように後ずさり、私から離れていきました。
「あなたが行く所は、あちらです!」「一人でお行きなさい!!」
そう怒鳴ると再びお経を唱え始めました。
「そんなに怒らなくても・・・・」
おじさんは悲しそうにそう言い残すと、トンネルが続く廊下の方に歩き出しまし
た。そして壁に消えかけた時廊下で悲鳴が上がりました、兄と姉の声です。
母は一瞬お経を唱えるのを止めましたが、その瞬間おじさんの動きも止まったの
で、再びお経を唱え続けました。

おじさんが完全に壁の中に消え、光のトンネルが消えると、初めてお経を唱えるの
を止め、力尽きたようにその場に座り込みました。冬の夜中なのに汗でびっしょり
で、体中から湯気が立っていました。

531 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:51:30 ID:2bMdqCH20
しかし兄と姉が「今の何だったの?「人が壁に!!」と言いながら私の部屋に入っ
てくると母は急に立ち上がり、私達を抱えて泣き始めてしまいました、私も大泣き
です。
兄と姉は困ったような顔をしていたんだと思います。
その騒ぎでようやく父が起き出してきました。
「あなた、やはりこの部屋は良くありません!」「ユウスケも連れて行かれそうに
なりました!」走破は親が訴えかけると、父は困った顔をして黙り込んでしまいま
した。
「あなた、まだ私の言う事を信じられませんか?私が病気だと思っているのです
か?」母は必死になって訴えかけましたが、やはり父は困った顔をしたままです。
「コレでもまだ信じられませんか?」
そう言うと母は私のパジャマの上着を脱がし、父に腕と肩を見せました。

532 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:52:04 ID:2bMdqCH20
その時になって初めて私も気が付いたのですが、おじさんに捕まれた腕と肩の所
が、手の形に青アザになっていたのです。
「まさか・・・」そう言うと父は、その場に座り込んでしまいました。
兄や、姉も覗き込んで怖がっていました。
「じゃあ、お前の言っていた事は本当だったのか・・・・」
そう言ったきり、惚けたようになってしまいました。母はそんな父に近寄り「何度
も言ったでしょ?ここは霊道なんです」「何とかしないと、この部屋は危険なんで
す」霊道と言われても私も、兄弟も何がなんだか分りませんでしたが、父は何度も頷い
ていました。
次の日から、父の動きは素早い物でした。

533 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:52:35 ID:2bMdqCH20
村の最年長のお年寄りの所に相談しに行き、僧侶を紹介して貰って車で迎えに行
き、早速見て貰いました。
そしてお坊さんの指示で庭にお堂を建てたのですが、それが変わっていて、普通仏
像が入る場所に何もなく、両側の壁にお札を仕舞うスリットのような物が付いてい
て、正面の扉と反対側にも正面と同じような扉が付いていました。
まるで前からも後ろからも出入りが出来るエレベーターのようなお堂です。
そして、お堂から何か変わった模様を彫り込んだ石を道しるべのように家を迂回す
るルートの地面に埋め込み、家の裏側にも同じようなお堂を建てました。
「これで霊魂は家を迂回して通るようになる。もう安心じゃよ」と言いました。
確かにそれ以降、何も起こりませんでした。
村の誰かが亡くなり何日かの間、夜は家族全員で私の部屋で見張るように眠りまし
た。


535 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:53:06 ID:2bMdqCH20
つまり実験したわけですが、父以外の家族は全員嫌がりました。
しかし、お堂や僧侶の「お祓い料」に相当金を使ったらしく、父が「効果があるか
試さないと納得がいかない!」と言い張って、無理矢理付き合わされたという事で
す。変な話ですよね?(笑)実に父らしいのですが・・・・。
しかし・・・・・やはりと言うか、その部屋は空き部屋になってしまいました。
私はもう二度とあんな目に遭いたくなかったからです(笑)
仕方なく父は、物置を取り壊し、そこの離れを建てて、そこがちょうど高校生にな
っていた兄の部屋になり、兄の部屋が私の部屋になりました。
そして二階の角部屋は見事に物置になりました。


536 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:53:36 ID:2bMdqCH20
父は、何かにつけてブーブー言っていましたが、他の家族全員がそう主張したの
で、父も折れるしかなかったようです。
母が嫁いできた当時、それに併せて家を建て替えあの角部屋は夫婦の寝室だったそ
うです。
しかし霊感の強かった母は、霊が通るたびに眠れない夜を過ごし、軽いノイローゼ
になり始めていたので、下の部屋に移ったのだそうです。
そして、私の体に付いていたアザと同じ物が母にも付いていた事があるそうです。
その時は母が自分で付けたのだとばかり思い込んでいたのですが、私の体にも付い
ているのを見て、兄弟達も目撃した事から、とうとう父も認めたのでした。
結局物置の為にお堂を二つも造り、お祓い料や毎年のお札の代金、それに2年に一
度お経を上げて貰う為に車で迎えに行く事になり、父には気の毒な事をしたと今で
は思います。


537 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/02(日) 03:54:18 ID:2bMdqCH20
私が像遇したおじさんの霊は、長い入院で心が少し病んでしまい、寂しさで誰かを
連れて行こうとした「タチの悪い霊」だったようで、殆どはただ通り過ぎるだけと
母が話してくれました。
しかし事故死や自殺者の霊は本当に怖いと母は言います。
誰かれ構わず道連れを作りたがるのだそうで・・・・そう言うわけで、今でも私の
実家では、両親と兄夫婦が住んでいますが、二階の角部屋は物置のままだし、お堂
も設置されたままです。
皆さんも霊道に遭遇したら、とにかく逃げ出して下さい。
霊道を通る霊は霊道の中から出られないそうですから・・・間違っても霊道の進む
方に逃げないようにして下さいね。

あまり怖くない話を長々と失礼しました。
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