異臭A

763 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 08:38:27 ID:7HPEIl0cO
その沈黙がたまらず、私はどうにか間を埋めたかった

落「一応701、702の店内も確認しましたが、702店内の電気が点いていた事意外は異常ありませんでした」

谷「わかりました 異臭に関しては日勤で対応致します 後はありますか?」

それで終わり?

落「いいえ 以上です」

谷「それでは引き継ぎを終わります お疲れ様でした」

葛西「お疲れ〜」

落「お疲れ様でした」

なにか変な感じだ
多弁な葛西さんが全く話さない
仕事に厳しい谷さんがまるで何も言ってこない
何時も話す雑談も今日はなかった
そしてなにより…

私は聞こえてしまった…

帰り際、セキュリティセンターを扉を閉めた時

中から
紙の破る音を…




837 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 20:20:38 ID:7HPEIl0cO
私は帰りの電車の中で、改めて考えてみた

明らかにおかしい
絶対『何か』を隠しているのは確実
今考えるべき事は『何を』を隠しているのではなく、何故隠しているかだ

やはり人に言えない事なのだろうか
もし心霊の類なら、笑い話しで済むような事だと思う
しかし、夜勤常駐の私に言わないということは、やはりヤバイ事なのだろう
で、結局行き着く先は…
『何を』隠しているかだ

果たしてどうしたものだろう
クビ覚悟で点検口を開けてみるか…
でも、こんなオイシイ仕事をなくすのは、ちょっとな…



そうだよ
オイシイ仕事なんだよ
では何故、以前勤務していた2人の警備員は辞めたのだろう…

見てはいけないものを見たから…

やい、やはり非現実的だな…

少なくとも自分の目で確認するまでは…

一先ず、また明日考えよう
いや、今日の夜か…




849 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 23:05:29 ID:7HPEIl0cO
その日20時30分
ビルの前にいる私は、少し躊躇するも、ある『一つの決心』をしてセキュリティセンターに向かった

セキュリティセンターの扉がいつもより重く感じた

落「お疲れ様です」

谷「はい 疲れ様」

葛西「うぃーっす」

谷「では引き継ぎをします 昨日の異臭の件なんですが…」

落「はい…」

谷「空調フィルターの交換がされていなかった ということでした」

落「えっ?」

谷 「何?納得いかない?」

落「あ いや てっきり…」

谷「てっきり?」

落「腐ったような臭いだったもので、テナントが原因かと思いまして」




851 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 23:09:13 ID:7HPEIl0cO
もちろん嘘をついた
点検口からとは言える雰囲気ではなかった

谷「まぁ 現に臭いもなくなったし 解決というこで 後はいつも通りお願いしますね」

落「了解しました お疲れ様でした」

谷「はい お疲れ様」

葛西「お疲れ〜」
葛西さんは相変わらず無口か…

2人が帰った事を確認して、昨日私が書いた報告書を確かめる




852 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/10(水) 23:10:40 ID:7HPEIl0cO
やっぱり…

書き直されていた

おそらく、今日の朝、帰り際にあの紙を破く音は、私の報告書を破いた音だろう

過去の白田警備員、岩山警備員、そして私の報告書3枚を見比べる

なるほど、昨日、2人の報告書で違和感を感じた原因はこれだったのだ

全て同一人物の文字

そう谷隊長の文字だ

少し整理してみよう
まず
・7階共用廊下の異臭
・7階共用廊下だけ監視カメラがついていない
・書き直された報告書
・谷隊長、葛西副隊長の異臭に対する反応
・白田警備員、岩山警備員の辞めた理由

すべて考え過ぎと言えばそうなのかもしれない
でも私は決めた

今日の巡回で点検口の中を確かめてやると…



875 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/11(木) 03:00:37 ID:oR8mLWjQO
私はセキュリティセンターにある脚立を眺めながら悩んでいた
一つ問題点があるな…
いくら7階共用廊下に監視カメラがないといってもそこまでたどり着くまでに数台の監視カメラがある
脚立を持って巡回すると確実に谷隊長につっこまれるよな…

まぁその時はその時だ

その時、ふと思った
私はずっとオカルト的な事を想像していたが、まさか事件的な事ではないよな…

例えば…  死体…

いやいやいや
それこそ突飛な考え方だな
第一あんな所に死体なんて入るかのか?
いや仮に入ったとしても、もっとマシな場所に隠すだろう

キリがないな…

巡回までもう少しだ



876 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/11(木) 03:01:50 ID:oR8mLWjQO
巡回の時間がきた
懐中電灯、脚立を持っていつもと同じルートから巡回を始めた

何事もなく7階まで来た
軽く深呼吸をしてから扉を開ける
昨日の臭いが嘘のようになくなっていた
それがまた妙に怖かった

脚立を点検口の下に置き、脚立の上に上る
何があっても冷静に
自分自身に言い聞かせて点検口を開ける

開けた瞬間、配線等が見え、昨日の異臭が微かにした
懐中電灯を照らしながら中を覗く



877 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/11(木) 03:03:05 ID:oR8mLWjQO
なんだこれ…

水?何故か濡れている

そして疎らに向こうまで続いている
まるで何かを引きずったように

中に入る勇気はない
というより、もう戻りたいという気持ちで一杯だ
そう思っているのもつかの間
くしゃくしゃに丸めた紙屑があるのが見えた

なんだ?
ギリギリ手が届いたので、取って中を見てみた

紙には

『天気が悪いから墜ちた

少しあいて

『鼻・臓・末・奉・漢』

『だからあげる』



878 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/11(木) 03:05:17 ID:oR8mLWjQO
そして次の瞬間
奥から

ドルン…

ヤバい
なにかわからないけど
ヤバいヤバいヤバい
私は無我夢中で逃げていた

なんだよ
あの紙は
そしてあの音
エレベーターがあるのに気が動転して階段で下りる
いや今思えば階段下りて正解だったかもしれない
あんなのを見て
密室でじっとしているの方が私には無理だ
汗だくでセキュリティセンターまでたどり着く
センターの中に入っても私の心臓は早いままだ
どうしよう…

まずそんな言葉が頭を過ぎる

もう『あれ』がなんだっていい
そもそも私の解る範囲の『物』ではない

やっぱり開けるべきではなかった

知らない方がよかった

私は朝まで震えたままだった







880 落警備員 ◆dC60Rut3nc sage 2009/06/11(木) 03:06:43 ID:oR8mLWjQO
すみません
この後は簡単に書かせて頂きます

まず
あの点検口を覗いた日の朝は、谷隊長と補勤の松田警備員が勤務でした
点検口を覗いた事は勿論、中の事は誰にも話しませんでした
ただ松田警備員には以前いた白田警備員、岩山警備員の事を聞いた所、わからないと言っておりました
私はこの人も何か知っているのだと思います

そしてこれは最近わかったことなのですが
白田警備員は、いきなり来なくなったみたいです
会社の人にも聞いたのですが行方不明らしです
58歳の方だとお聞きしました
そして岩山警備員ですが
警備員自体は辞めているのですが、あるつてで今度会う約束を致しました

あの次の日に谷隊長に言われた言葉がは
「あまり勝手なことしちゃだめだよ」
でした

今現在は異臭もなく巡回もスムーズに行っております
他の警備員とも普通に接しております
一度は辞めよとまで思いましたが、もう少し続けたいと思います
また何かありました報告致します
勿論、今度は短時間で

もしこれを見て何か解る方がいれば、小さな事でもいいですので教えて下さい
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