カエス@

495 :本当にあった怖い名無し:2011/02/05(土) 02:49:27 ID:Y+67HZg+0
これは怖いというか、自分には教訓みたいになってる話。
だからそういう話と思って見ていただけたらありがたい。
もう十数年以上前の話だけどいまでもハッキリ覚えてる、というか忘れたくても忘れられない記憶。
こうしてネットとかで語る分にはまだ大丈夫だけど、
口にするのはいまだにちょっと抵抗がある。
まあ、自分自身が直接経験した恐怖ってわけじゃないんだが・・・
(注)書いてるうちになんかめちゃくちゃ長くなったから、面倒な人はスルーして下さい。
さほど怖い話でもありませんw


十数年前の話だが、自分は田舎にあるけどやたらでかい大学の大学生だった。
2年生の夏休みにいつも遊んでる仲間と会う事になった。
多い時には15人くらい集まるんだけどちょうどお盆で帰省してる連中も多く、
集まったのは自分を含めて6人。男女三人ずつだった。
いつもに比べて人数が少ないし、金もないということで家飲みになった。
Tという明るいムードメーカーが住んでる1DKの学生アパートに皆集合して、
冷房ガンガン効かせながら鍋(水炊きだったと思う)をしながら飲んだ。
「今日は周りの部屋の人帰省していないみたいだから、存分に騒げるぞ」
ってことで遠慮なく飲んで皆で大騒ぎしてた。かなり悪酔いしてたと思う。
で、ちょうど0時前くらいだったかな?Tが心霊スポットに行ってみないかと言い始めた。
仲間でつるんで真夜中に飲んでたらこういう展開はよくあるのかもしれないが自分は初めてだった。
Mが興味深々な目で「お?どこだのことだ?」と身を乗り出してきた。
「××の少し奥に行った所にある○○という施設の廃墟だ」とTは言った。
Mも俺も皆も、「ああ、あそこか」と納得した。
そこは地元ではけっこう有名な心霊スポットだった。



496 :本当にあった怖い名無し:2011/02/05(土) 02:50:22 ID:Y+67HZg+0
あくまで人から聞いた話で、詳しく知ってるわけじゃないんだが、
いまは廃墟になってるそこは、元は精神疾患のある人間の療養所だったらしい。
療養所というと聞こえはいいが、要するに危ない人間の隔離施設。
しかし、この話の時代よりさらに10年以上前に閉鎖されたということだった。
そういう施設なので、閉鎖された理由は様々な憶測や噂が流れた。
すなわち、入居者に施設のスタッフが酷い虐待を日常的にしてたとか、
女の入居者は男のスタッフにレイプされてたとか。
そして死人が何人も出たが、その死因をごまかしてたとか。
そういう施設が閉鎖された原因の噂としてはよくありそうな内容だった。
Tはそこに行ってみようと言い出したのだ。
Mはノリノリで「お〜。いいね〜。俺も前からちょっと気にはなってたんだ」
とか言ってテンション上がってた。
女の子達は「え〜。どうしよう〜」と戸惑いながらも興味があるのか、
顔は笑ってて盛り上がってた。


497 :本当にあった怖い名無し:2011/02/05(土) 02:51:03 ID:Y+67HZg+0
一人だけまったく乗り気じゃなかったのは俺だけだった。
俺は霊とかそういう類のものが昔から大の苦手だった。
真夜中にそんな曰くつきの心霊スポットに興味本位で行くなんて絶対嫌だ。
そんな俺の様子に気が付いたのだろう、Mがニヤニヤしながら
「なんだ〜?N(俺の名前)。お前ビビってんのか〜?」とからかうように絡んできた。
図星だったが、認めたくなかったので最初は「いや、別に・・・」などと適当にごまかしていたが、
Mが「おいおい〜(ニヤニヤ)やっぱりK空手の黒帯はそんなもんか〜?」などと嫌な事を言い始めた。
Mが言うように自分はK空手(フルコンで有名な某空手流派)の黒帯だった。
自分は小学生くらいまでとにかく泣き虫の弱虫で、いじめられる事も多かった。
それが嫌で、中学生になってから空手を始め、それなりに強くなったと思う。
が、根本的な性格というのはやはり変わらないのか、気が小さいというのは同じだった。
特に前述したように、霊的なことは大の苦手だった。
しかし、そこをからかわれるのは自分にとって一番悔しいことだ。
確かに自分は気が小さく臆病で、そしてそれが子供の頃から大きなコンプレックスだったのだ。
だから「ビビリ」とか「臆病者」とか言われるのは自分にとっては耐え難い屈辱で、
口に出して「怖いよ」とは認めたくなかった。
でもMはさらに「そこ」をしつこく突いてきた。



498 :本当にあった怖い名無し:2011/02/05(土) 02:52:21 ID:Y+67HZg+0
「正直に怖いって言えよ〜。え〜?K空手よ〜」などと絡んでくる。
なんでこんなにK空手を強調してくるのかはわかっていた。
実はMもS空手(同じくフルコンで有名な流派)の黒帯だったのだ。
それでMと仲良くなったというところもあるのだが、それが故に
Mはちょくちょく対抗心を出すかのように自分にそのネタで絡んできた。
もちろん冗談半分だったと思うけど、それでも自分には屈辱だった。
臆病者と思われるのも、苦労して稽古してきた空手を悪く言われるのも、ダブルで屈辱だった。
さらには女の子達もいる前で「ビビってる」と思われるのはプライドが耐えかねた。
少し頭に来て、「怖くねえよ!行ってやるよ!」という言葉が喉元まで出かかったが、
実際には「ああ、怖いんだよ」と言って正直に怖いことを認めた。
するとMもTも、「あ、やっぱり(ニヤニヤ)」「おい〜w。K空手が泣くぞ〜」
などと好き勝手にからかわれた。
酔ってるとは言え、散々な言われようで腹も立ったが、そこはぐっとこらえて
「とにかく俺は怖いからいい。お前らだけで行けよ」とキッパリ断わった。
すると、A美も「私も怖いからいいよ・・・」と行くのを拒否した。
その後もいろいろからかわれたり一緒に行こうなどと言われたが、
最終的にTとM、女の子はY子とR子の4人で行く事になり、
俺とA美は残る事になった。
4人は最後まで「この二人だけにしていいのか〜?w」
「帰ってきたら裸で抱き合ってるなんてやめてくれよ〜w」など言いたい放題言って、
「一時間程で帰る。それで帰ってこなかったら幽霊にやられたと思ってくれw」
と言い残し、テンション上がりっぱなしでTのワゴン車で出て行った。
(思いっきり飲酒運転だったが、当時は法律もいまよりずっと甘く、飲酒運転の罪悪感もいまより薄かった・・・)


499 :本当にあった怖い名無し:2011/02/05(土) 02:53:36 ID:Y+67HZg+0
A美と二人っきりになったが、言われたような怪しい雰囲気になることもなく、
深夜テレビを見ながら二人で他愛のない話をして過した。
そして一時間はあっという間に過ぎたが、4人はまだ帰ってこない。
俺は冗談で「ホントに霊になんかされたかな?」とか言っていたが、
それからさらに一時間経過しても帰ってこない。
これはちょっと洒落にならないか?と思ってたら
A美も不安そうな顔で、「ねえ、ちょっと遅くない?」と心配し始めた。
「そうだよな」と俺も心配になり、携帯に連絡してみた。が、繋がらない。
繋がらないと言うのは電話に出ないとかじゃない。
呼び出し音もしないし、「お掛けになった電話は電波の繋がりにくい状態にあるか〜」
とかいうアナウンスもない、さらには「ツー・ツー」という話中のような音もしない、
とにかく、発信してみても何の反応もないのだ。
おい待て、こんなことあるか?と少しゾっとした。
A美も自分の携帯から連絡してみたが、全く同じ状態で、
「絶対おかしいよこんなの」と青い顔で半ばパニックになってた。
しかし、どうしていいのかわからない。
車はなかったので現場に行く事もできないし、
何が起きてるかもわからないのに警察等に届けるのもためらわれた。
そうこうしてる内に3時間が過ぎた。
何度やっても電話は相変わらず全く無反応。
A美がさすがにもう警察に言おうと必死に言ってきたので、自分ももうそれしかないかと思ってたときだった。


500 :本当にあった怖い名無し:2011/02/05(土) 02:54:40 ID:Y+67HZg+0
俺の携帯が鳴った。慌てて表示を見ると、Tからだった。
俺はホッとして「Tだよ」とA美に言うとA美もホッとしたようだった。
やれやれと思いながら電話に出たのだが、何も聞こえてこない。
何だ?と思いながら俺が
「おい、お前らなにやってんだよ。何時間経ってると思うんだ?」
とさすがに怒って言った。が、やはり何の反応もない。
周囲の雑音というか、「サーッ」という空気音だけが聞こえる。
不気味で怖くなってきて
「おい、ふざけるなよ。なんとか言えよ。どこにいるんだよ?」
と言ったが、やはり反応がない。
自分は完全に怖くなって何も言えなくなってしまい、携帯を耳に当てたまましばらく固まっていると、
雑音の中から小さいけどはっきりした声で
「カエス」
という言葉が聞こえた。
は?と思ったが、そこで「ブツッ・・・ツー・ツー」と電話は切れた。
「おい」と言ったが、もう電話は切れている。何の反応もない。

カエスAへ続く
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