悪霊

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俺は、田舎の一軒家に住んでいる霊。
名前は何だっけな。表札に「寺坂」って書いてある。よく分からないが俺の名前らしい。
巷じゃ、家に来た人間を片っ端から殺す、悪霊って呼ばれている。
それにしても人間はほんとバカだよな。
こっちが呼んでいる訳じゃないのに勝手に来て、俺を見てガタガタ震えて、逃げていく。逃げても無駄なのに。
俺の顔、そんなに怖かったかな?とか思うけど、まぁどうでもいいか。

この前…昨日かな?時間がよく分からない。
いつも通り部屋に人が来た。今回は4人。男2人と女2人。
既に怯えている。怖いなら来なければいいのに。肝試し?そんな感じだ。
男は強がって見えるが、2人とも相当ビビってる。女2人は論外。もう半泣き状態。
なんか面白そうだ。どうやって殺してやろう?…そんな必要あるのか?

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この部屋に出るらしい、とか言いながら部屋を探索している。
なんだかウキウキする。どす黒いものが込み上げてくる。
4人は探索を続ける。そんなに広い部屋じゃないけどな。
どうやら何も出ないと思ったようで、段々落ち着いてきたみたいだ。
バカな奴ら。出口は閉めておこう。
突然背後でドアが閉まって、驚く4人。いい顔している。いいぞ。
風かな、とか言っている。笑わすなよ。そう信じたいだけだろ?
姿を見せてみる。挨拶もしないとな。こんばんは。…あれ?俺の声こんなだったか。
訳の分からない叫び声を上げる4人。うるさいな。ちゃんと挨拶しろよ。
出口に向かって一目散。でも開かないだろうなぁ。開かないように閉めたから。どうやってかなんて分からない。ただ、そうした。
必死でドアを叩く。おいおい、壊すなよ。
開けてくれ、助けてくれ?誰に言っているんだ?俺はまだ何もしてないよな?

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さてと、この部屋じゃ嫌だな。汚れる。
しかしうるさいな。ちょっと姿を見せただけでこれかよ。何が怖いんだか。
あぁそうだ、向かいの客間でやろう。何をだろう。何かだ。
軽く気を失わせて連れて行こう。中身をちょっと叩けば簡単だ。
…よし。

動かないように縛り付ける?必要ないか。ここからは出られないし。
あぁ、気が付いたな。ちっ、また騒ぎ出した。やかましい。
でもいい顔をしている。面白い顔だな。本当に?
どれからにしよう。…この女が一番うるさいな。黙らせよう。
口を削ればいい。よし、少し静かになったぞ。なんだ、他の奴らも黙ったな。いいことだ。
そうだな…こいつには言葉を刻み込んでおくか。死ね、と。
これで頭の中で、延々と繰り返されるだろう。
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね…
頭抱えて悶えている。声出ないから静かでいいな。どれくらいで気が狂うかな?その前に死ぬかな?
楽しみだが、まぁ、ほうっておこう。後3匹いる。

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次は男だな。こいつは逆にしてみるか。
右手が左手。右目が左目。前が後ろ。上は下。
さて、どうなるかな?…なんだ、転げまわるだけか。逆立ちして後ろに歩けよ。期待外れだな。つまらん。やめろよ。
もう1人の男にはこいつらを連れ帰ってもらわないといけないからな。
少し削る程度にして、と…。俺は賢いな。お前は愚かだよ。
後一匹か。静かだと思ったら気を失っているのか、この女。
憎しみを与えよう。燃えるような憎しみ。憤怒を。他の3人を憎め。ここには来たくなかったんだろ?
こいつらが憎いだろ?憎め憎め憎め。最後に自分も憎め。そして死んでしまえ。
やめてくれ。

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これくらいでもういいか。
帰れよ。さっさと帰れ。邪魔なんだよ。なぜ来るんだ?

また一段と黒くなった。こうしていると闇に溶けそうで、気分が良くなる。
いつまでもここに居たい。もっと楽しみたい。
時折、俺の目的は何だろうと思うことがある。何かあったかな…。
でも記憶を辿っても、何も出てこない。
何故ここに居るのか、いつからここにいるのか…?
それと、時折聞こえる…俺に反するような声はなんだ?

まぁ、気にする必要もない。考えるのも面倒だ。
このまま、ただこのままで居られればいい…。
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