お諏訪さま 前編

351 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:01:03 ID:qVNtFYwZ0

お諏訪さま 前編 1/8

今回は地名も施設名も公表しますね。
説明がうまく伝わるかは、すごく不安だけど(汗)。
あ、そうだ。この話には皇室批判が含まれます。気になる方は読まないでください。


「旨い蕎麦を食べに行くか」
教授が珍しく縁起のいい誘い方をしてくれた。
どうも、前回の鋏供養が後ろめたかったらしい(笑)。二つ返事で同行を引き受けた。

蕎麦といえば信州だ、というから、中央道をひた走って諏訪に向かう。
諏訪は、観光地である諏訪湖のイメージしかなかったので、
「もう少し北に上がったほうが、ほんとに信州って感じがする」
と提言したけど、却下だった。
要するに、蕎麦で釣って、諏訪に行かせたかっただけなのね…。



352 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:02:29 ID:qVNtFYwZ0

お諏訪さま 前編 2/8

諏訪インターを下りると、すぐに、
「北に上がってくれ」
と指示された。
ちょっと意外。まず南下して、諏訪大社の本宮にお参りすると思ってたのに。

諏訪大社っていうのは、竜神さまを祀っている、日本でも屈指の階位を持つ神社なの。それぐらいの知識は事前に仕入れてる。
上社と下社に分かれていて、本宮である上社には男神、下社には女神が祀られている。この2人は夫婦なのだそうだ。
上社と下社は、諏訪湖を挟んでほぼ対岸に位置している。真冬になると、夫婦の神様は、お互いを求めて、諏訪湖に張った氷の上を渡るのだとか。それが、よく名前を聞く【御神渡(おみわたり)】という現象らしい。

勉強の成果を自慢げに語ると、教授は、
「君らしくロマンチックな着眼点だな」
と、…たぶん、馬鹿にした。



353 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:03:02 ID:qVNtFYwZ0

お諏訪さま 前編 3/8

「上社に祭られている男神、タケミナカタは、大国主(おおくにぬし)の息子だ」
20号線を走っている間、教授は、私に【正しい】知識を授けてくれた。
「大国主は知ってるかな?」
「たしか…、【因幡の白兎】の歌に出てきた神様だと…」

大きな袋を肩にかけ だいこくさまが来かかると ここに因幡のしろうさぎ 皮をむかれて赤裸

うろ覚えの歌詞を歌うと、教授は、
「そのとおりだよ。島根県の出雲大社の主神で、国譲り神話の主人公でもある神様だ」
と誉めてくれた。
記憶が正しかったことに私は喜んだけど、
「国譲り神話…が、ピンときません」
と、恥も晒した(汗)。



354 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:03:57 ID:qVNtFYwZ0

お諏訪さま 前編 4/8

教授は、少し笑って説明する。
「日本神話に因ると、日本の国土はイザナギとイザナミという夫婦神によって生み出された。いわゆる国産みの神話だ」
「イザナギたち2神が代替わりした後に現れるのが、彼らの子どもであるアマテラスとスサノオとツクヨミという3神で、いまの天皇家の祖先と位置づけられている」
「彼らは、知力や武力を使って、日本のあちこちにはびこっていた【敵対勢力】を平定していくんだが、その最初の強敵が大国主だった」

「はあ…」
つまり、【だいこくさま】は、いまの皇室の敵、もっと広げれば日本人の敵だったってわけ、かな。

ウサギを助けた優しいイメージと合わないと訴えると、教授は補足した。
「大国主は出雲の大豪族だったと思われる。製鉄に秀で、高層建築まで手がけた優秀な技術者だよ。そこへ、アマテラスたちの率いる大軍団が押し寄せ、国を明け渡すように強制した。それが【国譲り神話】だ」
「…」

なんだかわからなくなってきた。
アマテラスは、それじゃあ侵略者ってこと?



355 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:05:00 ID:qVNtFYwZ0

お諏訪さま 前編 5/8

教授の説明は続く。
「壮絶な死闘の末、大国主は敗れて、出雲はアマテラス側のものになった。ところが、大国主の息子であるタケミナカタはそれを不服として最後まで抗戦し、ついには、この諏訪の地まで追いやられた」
「え?じゃあ、諏訪大社って天皇家の敵を祀ってるんですか?」
そんな立場の神社を日本の最高位に認定する日本って、どういう構造をしてるんだろう…。

教授が答えをくれる。
「表向きは、大国主がアマテラスに出雲を献上したことになっているから、敵ではない」
「…なるほど」
合点が行った。
大国主が【喜んで国譲りをした】から、大国主とアマテラスは仲良しのまま、お互いに神様となることができたってわけね。
そして、息子であるタケミナカタもお咎めなし、と。

「でも、もしアマテラス側に負い目がなかったら、そんな裏協定みたいなことをしなくても、堂々と【悪者の大国主をやっつけました】って言えるんですよね?」
私が言わんとしていることは、教授にすぐに伝わった。
「そうだね。アマテラスが一方的な侵略者だったからこそ、大国主を悪者として後世に伝え残すことができなかったんだ。悪いのは、むしろアマテラスのほうだったからね」

ほらほら。教授らしい話題になってきたぞ(笑)。



356 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:05:36 ID:XW2LtUv/0

お諏訪さま 前編 6/8

「アマテラスの子孫がいまの皇室になれたのは、そういう侵略を重ねて、日本を牛耳っていったから?」
私の質問に、教授は躊躇なく頷く。
「じゃあ、いまの日本は、代々の皇族が、武力や権力で抑えつけて統治してきた結果なんですか?」
と聞くと、教授は、
「ダイレクトな言い方だ」
と苦笑しながらだったけど、肯定した。

私は、さらに重ねた。
「アマテラスたちは、もともと、どのあたりに住んでいた民族だったんでしょうか?」
即答する教授。
「朝鮮半島だ」

………………。
それって……。



357 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:06:21 ID:XW2LtUv/0

お諏訪さま 前編 7/8

私は教授の知識を信用している。
たとえ、突拍子もないと思えることでも。

「もしかして、ヤバイ話を聞いてます、私?」
声を潜めると、教授は笑った。
「皇族渡来説は、いまや常識だよ。表立ってマスメディアに流れはしないがね」
「…」
ほっとした…。
皇室批判に先陣を切るほど、私の肝は強くない(汗)。

教授は続ける。
「高松塚やキトラ古墳に朝鮮系の壁画が残っているのは知ってるね?」
教科書の復元図を思い出しながら、私は頷いた。
「あの古墳群は宮内庁の管轄だ。天皇家と朝鮮は関わりが深いと、宮内庁自らが認めているんだよ」
改めて安堵の溜息をつくと、教授は大声で笑った。



358 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:07:23 ID:qVNtFYwZ0

お諏訪さま 前編 8/8

気分を変えるために、話題の方向を転じてみる。
「そういえば、大国主も【だいこくさま】なんですね。兄貴からもらったお守りも【大黒さま】だったような…」
「その2つは、昔はよく混同されたんだ。でも、まったくの別物だよ」
と教授は言う。
「前にも言ったと思うけど、住職のお守りの【大黒天】は、インド神話の神の変化した姿だ。一方で大国主は、日本土着の民族だった」
「そっかあ…。でも、興味深い一致ですね…」
私はポケットに入れているお守りに手を添えながら答えた。

古代の出雲で土地を守ろうと闘った大国主。破壊の神と恐れられながら、私を守ってくれた大黒さま。

「魔には魔を、かあ…」
と呟くと、教授は、
「現代人にこそ、その発想は必要だな。いまの人間は毒を抜かれすぎていて、些細な悪意にすら対抗できない」
と返した。

いじめなんか、その典型かもしれない。
と、自己反省してみたりする。



359 :オオ○キ教授 ◆.QTJk/NbmY :2008/09/07(日) 00:08:53 ID:XW2LtUv/0

オカルト要素は中編と後編で。
一気に書ききれなくてすみません。
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