40人目の子供@

はじめに…

オカルト系の話で、「一人多いわけ」という、以下のような話があります。

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ある学校の授業でのことだ。
当日は、予報を大きくはずして快晴だった。
あるクラスは、その日は何かの実験で、理科室で授業が行われた。
ところが、運悪く、ガスが漏れていたのか薬品がこぼれていたのか…
理科室は爆発し、生徒達も巻き込んで、一切合切こなみじんにしてしまった。
後日、事故現場を片付けている最中に、いくらかの骨や肉片が見つかった。
それらを丁寧に運び出し、体育館に並べていくと…そう、教室にいた分だけの
白骨死体と、余り物が完成するわけである。

生徒は全員が過去に歯科治療を受けており、歯形から確認できる限り全員分の
身元を確認することが出来た。
何人かは顔が残っていたので問題はなかった。
ところが、全く奇怪なことだが、どうも数が合わない。
生徒は39人で、教師が一人。
遺体は全部で41体、子供が40で大人が一。
子供が一人多い…
近所で行方不明になった子供はいないし、他のクラスも人数が合っている。
検察官の一人が首を傾げている様子を見ると、他の検察官が唐突に叫んだ。
「なんだ、数が合っているじゃないか!」
翌日は、予報どおりの雨であった。

もしもこの検察官の閃きと叫びを疑問に思うのならば
これを解決するのに少しばかりの閃きと知恵が必要となる。
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見ての通り、ちょっと不可思議で、あちらこちらで様々な考察がされているものです。

今回は、これについての話になります…。

1/11
雨月「ある爆発事故で、亡くなった子供の遺体が1つ多かったって話、知っているか?」

我が愛しの神尾さん宅に、雨月と鮎川さんと俺という、いつもの4人が集まったときの事のこと。
世の中の不可思議な話を4人でああだこうだと話しているとき、雨月が誰にとも無く聞いてきた。

鮎川「あぁ、あれ?理科室が爆発して、先生と生徒が死んじゃって…ってやつ。「一人多いわけ」って話だっけ」
雨月「そう、それ」
鮎川さんが真っ先に反応する。さすが、自称オカルトマニアだ。

しかし俺も負けていない。
俺「知ってる知ってる。バラバラになった遺体を並べたら、子供の遺体が1つ多かった、ってやつだよな」
神尾「そういえば、そんなのあったね」
この道じゃそれなりに有名な話なので、神尾さんも知っているみたいだ。

簡単に説明すると――
ある日、生徒39人と教師1人が理科室で実験をしていた。
ガス漏れか何かで理科室が爆発。全員木っ端微塵。骨や肉片になってしまう。
事故後にそれらを並べると、教室にいた分だけの白骨死体と余り物が完成する。
…しかし検察官が確認すると、何故か子供の遺体の数が40ある。
おかしいなと首を傾げていると、他の検察官が「数が合っている」と叫んだ、という話だ。
…詳しくはググッてね、っと。

2/11
神尾「当日は晴れだったとか、翌日は予報どおり雨になったとか、天気の話も絡んでいるやつよね」
俺「だっけね。確か、解答が無い…とか言う話だったような」
神尾「でも、いくつかの説はあったよね」
そう、いくつかあったな。えーっと…

鮎川「あれよね。天気の話があるから、そこから考えたテルテル坊主説…って言うのかな?実は最初から、子供の死体が1つ吊るされていました、って」
俺「あったあった」
でもまぁ、実際に死体が吊るされていたら、実験云々の前に大騒ぎになるだろう。

神尾「人体模型か骨格標本の骨でした、って説もあるよね」
鮎川「標本が子供の骨で作られていました、って話よね。ちょっと無理がある気がするけど…」
確かに苦しい。骨格標本を、わざわざ本物の人骨で作るって?しかも子供の?
それに、骨の保存方法に詳しい訳じゃないけど、そんなに綺麗なものは作れない気がする。

俺「一番多い…ってか、支持されているのが、原爆説じゃない?」
神尾「あれね。1人多い子供ってのが原爆の名前の"リトルボーイ"のことで、39ってのは広島と長崎の被害者の数が合わせて39万人、ってやつ」
俺「そう」
天気についても、当日は晴れで翌日は雨…黒い雨が降った、ってことで、何となく辻褄があう感じだ。

3/11
鮎川「んー…でも、私、その説はどうもね…」
神尾「古乃羽は嫌い?」
鮎川「だって…生徒の数が39人、って言っているのに、それが突然39万人のことです、って言われても…ねぇ」
俺「まぁ、いきなり1万倍しているけど、その辺は…な」
鮎川「40って数字が出ているけど、39万に原爆の1を足しても、40にはならないじゃない?39万と1よ」
原爆以外の焼夷弾とか、もろもろ合わせて1万に…ってのは苦しいか。

鮎川「あと一番気になるのが、なんでリトルボーイだけなの?って所かな。
両方あわせての数字なら、…ファットマンだっけ。長崎の方。そっちは足さないのかな?って」
…そう言われてみればそうか。原爆説なら、そっちの分も足すのが自然な気がする。
ファットマン=大人とでもして、大人の遺体は2つありました、と。
俺「なるほどなぁ…」

神尾「広島の方だけ、ってことは?」
鮎川「広島の方だけの被害者じゃ、39万も居ないわ。調べたことあるけど、確か15万人くらいよ」
神尾「じゃあほら、その時だけじゃなくて、その後の後遺症とかによる死者も合わせれば」
鮎川「それだと…どうなんだろ?39万も居るのかなぁ…」
首を傾げる鮎川さん。
鮎川「でもさ、理科室に居た人は全員木っ端微塵でしょ?その場で亡くなった人以外の人数も考えるなら…例えば、39人中15人が即死で、残り24人は大怪我で後日…ってならない?」
…あぁ。確かにそうだ。
それにこの話は、検察官が最後に「数が合っている」と叫ぶのだ。それの意味も分からなくなる。
そして更に、もう1つ。一緒に吹き飛んだ先生1名ってのはどうなる?これも1万倍して1万人?何の人数だ?どうも説明が付かない。

4/11
神尾「他にも、先生が妊娠していたとか、教室に死体が埋まっていたとか、色々あるよね」
俺「あるね…。でも結局、どれにも突っ込みどころがあって、これだ、っていう解答が無いんだよな」
鮎川「だから、話自体には実は意味が無い、ともされているよね」
そう。答えが無いのが答え、というやつだ。オカルトとしてはそういうのも有りなのだろう。

さて、ところで…?

俺「で…雨月は何かあるのか?これについて」
話を振ってきたということは、何かあるのだろう。

雨月「あぁ。…と言っても、また姉貴の受け売りなんだけどな」
神尾「へぇ…。舞さんでも、こういうのに興味持ったりするんだ」
神尾さんが意外そうに言う。

雨月「俺が聞いてみたんだよ。こういう話があるんだけど、どう思う?って」
鮎川「そうしたら?」
鮎川さんが訪ねる。気のせいか…いや、きっと気のせいではないだろう。目がリンリンと輝いている。

雨月「こんな説はどう?って話をしてくれたよ」
俺「ほぉ…」
神尾「どんなの?」
雨月「えーっと…」
そう言って、雨月が姿勢を正して話を始める。俺たちも思わず背筋を伸ばし、話を聞くことにした。

5/11
雨月「まず…あれだ。テルテル坊主や死体が埋められていた説みたいに、実は○○がありました、ってのは考えない、ってさ」
鮎川「ふぅん…」
まぁ…そうか。どちらもそもそも無理があるし、検察官が「数が合っている」と叫んだ意味が分からなくなる。
この解答は、検察官がその場で理解できることじゃないといけないんだ。

それと今思い出したが、話の中では「近所で行方不明になった子供は居ない」とされていた。それに対して、"実は"少し遠いところで子供が…とか言い出したら、キリがない。

雨月「あと、天気の話は無視するって。ミスリードに思えるから」
神尾「あら…」
俺「ミスリード…引っ掛けか」
ちょっと強引な気がするが…?
雨月「話として不自然で脈絡が無いし、謎掛けの話なら、ミスリードが含まれている可能性も十分考えられるから、だってさ」
神尾「不自然と言えば、そうかも知れないけど…。でも、逆にそれがキーになっている、ってことも」
雨月「うん。俺もそう思って言ったけど、この天気の話ってさ、当日の晴れの方はともかく、数を調べた翌日の雨って、遺体の数には関係ないんだよね」
神尾「ん…?」
俺&鮎川「どういう意味?」
鮎川さんとハモッて質問する。

雨月「この話はさ、検察官が子供の遺体の数を確認したら40でした、って話なんだよな」
俺「だな」
雨月「話の中に出てくる検察官にとってはさ、その翌日の天気なんて関係ないだろ?子供の遺体は、今、目の前に40あるんだよ」
神尾「あぁ…そういうこと」
???
さっぱりだ。

40人目の子供Aへ続く
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