Bについて

Bについて語ろうと思う。
予め言っておくけど、俺は正気だ。


1年と少し前に、ある人が死んだ。
その人の一周忌法要は俺の働くホテルで行った。
法要の打ち合わせ伝票を書いたのは俺だった。
その人の親族からはクレームを承った。
さっさと料理を出して欲しかったとのこと。
なるほど、一周忌では話は弾まない。
懐石風に料理が少しずつ出てくる形式にしたのが駄目だったか。
その席にはAも居た。
今は居ないその人の事を仮にCさんとする。
AはCさんの事を心底から尊敬していた。
俺もそうだった。
だからこそ安堵し、死んで良かったと思う。
Cさんはやっと、Cさんの本来の場所に戻れたんだ。
Cさんが死んだ時、俺はそう思って泣いた。
Aも泣いた。
いつもの食堂で、本当に良かったと2人で泣いたんだ。
普段は飲まない日本酒を頼んで、良かった良かったと泣き続けた。
さて、Bの話だ。
俺はBに対してあまり危機感を持っていない。
何故なら前例があるからだ。
Cさんは

「今のBと全く同一のものかは解らないけどね」

と前置きして

「昔は私について来てたんだよ」

と言った。
Cさんはそれを代替わりと言った。
話を纏めるとこうなる。


・以前CさんはBに似たものに付きまとわれたことがある。
・ただし、全く同一のものであるかはわからない。(同じ種類の別の霊か、Cさんに付きまとったBが変化したもののどちらか、という事)
・何とかする事は基本的に無理。お祓いやらなんやらが通じる相手ではない。
・ただし、Aなら何とかできるかもしれない。その時一緒に話を聞いていたAもこれに頷いた。
・Cさんにつきまとう前には、Cさんの知人につきまとっていた。(ただし、Cさんにつきまとっていたものと完全に同一のものかは解らない)
・そして最後に、時間が経てば自然と姿を現さなくなるということ。


結局、今のBを知るのは俺とAだけだ。
けれど、Bというものの根本に触れた気がして、俺とAはその時凄く興奮していたのを覚えている。
そして、同時に安堵した。
待てば消える。
耐え続ければいつかはあの恐怖から逃れられる。
そして今、俺はある事を考えている。
Bを消す。
CさんはAなら何とか出来るかもと言ったが、条件が揃えば俺でも何とか出来ると思う。
問題は、日時が合わない事だ。
今ならやれる、今なら出来るという日にBが現れたことはない。
Bが現れる日と、その日が重なるのを俺は待っている。
それまで俺はBを刺激せず、ひたすら逃げ続ける。
重ねて言うけれど、俺は正気だ。
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