リアルB

続き


遅くなってしまい申し訳ない。今回も長い!しかもやっぱり大して面白くない個人的な話になってしまった。許して欲しい。
※割愛している箇所もあるので分かりにくいかもしれん。


では書きます。


実家に帰り、自分が置かれている状況を理解して3日が過ぎた。

精神的に参ったからか、それが何かしらアイツが起こしたものなのかは分からなかったが、2日間高熱に悩まされた。

首から異常なほど汗をかき、2日目の昼には血が滲み始めた。3日目の朝には首からの血は止まっていた。
元々滲む程度だったしね。
熱も微熱くらいまで下がり、少しは落ち着いた。

ただ、首の回りに異常な痒さが感じられた。
チクチクと痛くて痒い。
枕や布団、タオルなどが触れると鋭い、小さな痛みが走る。
血が出ていたから瘡蓋が出来て痒いのかと思い、意識して触らないようにした。
布団にもぐり、夕方まで気にしないように心掛けたが、便所に行った時にどうしても気になって鏡を見た。鏡なんて見たくもないのに、どうしても自分に起きてる事をこの目で確認しないと気が済まなかった。

鏡は見たこともない状況を写していた。


首の赤みは完全に引いていた。 その代わり、発疹が大きくなっていた。

今でも思い出す度に鳥肌が立つほど気持ち悪いが敢えて細かな描写をさせて欲しい。 気を悪くしないでくれ。

元々首の回りの線は太さが1cmくらいだった。 そこが真っ赤になり、元々かなり色白な俺の肌との対比で正しく赤い紐が巻かれているように見えていた。
これが3日前の事。

目の前の鏡に映るその部分には膿が溜まっていた。


…いや、正確じゃないな。

正確には、赤い線を作っていた発疹には膿が溜まっていて、まるで特大のニキビがひしめき合っているようだった。
そのほとんどが膿を滲ませていて、あまりにおぞましくて気持ちが悪くなりその場で吐いた。

真水で首を洗い、軟膏を母から借り、塗り、泣きながら布団に戻った。 何も考えられなかった。唯一つ「何で俺なんだ」って憤りだけだった。

泣きつかれた頃、携帯がなった。○○からだった。

こういう時、ほんの僅かでも、希望って物凄いエネルギーになるぞ? 正直、こんなに嬉しい着信はなかった。


俺「もしもし」

○○「おぉ〜!大丈夫〜!?」

俺「ぃや…大丈夫な訳ねーだろ…」

○○「ぁー、やっぱヤバい?」

俺「やべーなんてもんじゃねーよ。はぁ…。っつーか何かないんかよ?」

○○「ぅん」

○○「地元の友達に聞いてみたんだけどさ〜、ちょっと分かる奴居なくて…、申し訳ない。」


俺「ぁー、で?」

正直、○○なりに色々してくれたとは思うがこの時の俺に相手を思いやる余裕なんてなかったから、かなり自己中な話し方に聞こえただろう。


○○「いや、その代わり、友達の知り合いにそーいうの強い人がいてさー。紹介してもいいんだけど金かかるって…」

俺「!? 金とんの?」

○○「うん、みたい…。どーする?」

俺「どんくらい?」

○○「知り合いの話だととりあえず五十万くらいらしい…」

俺「五十万〜!?」

当時の俺からすると働いているとはいえ五十万なんて払えるわけ無い額だった。金が惜しかったが、恐怖と苦しみから解放されるなら…。 選択肢は無かった。

俺「…分かった。いつ紹介してくれる?」

○○「その人今群馬にいるらしいんだわ。知り合いに聞いてみるからちょっと待ってて。」


話が前後するが、俺が仏像の前で南無阿弥陀仏を繰り返していた時、母は祖母に電話をかけていた。
祖母からすぐにS先生に相談が行き(相談と言うよりも助けて下さいってお願いだったらしいが)、最終的にはS先生がいらしてくれる事になっていた。

ただし、S先生もご多忙だし何より高齢だ。
こっちに来れるのは三週間先に決まった。

つまり、三週間は不安と恐怖と、何か起きてもおかしか無い状況に居なければならなかった。
そんな状況だから、少しでも出来るだけの事をしてないと気持ちが落ち着かなかった。


○○が電話を折り返してきたのは夜11時を過ぎた頃だった。

○○「待たせて悪いね。知り合いに相談したら連絡入れてくれて、明日行けるって。」

俺「明日?」

○○「ほら、明日日曜じゃん?」

そうか、いつの間にか奴を見てから五日も経つのか。不思議と会社の事を忘れてたな。


俺「分かった。ありがと。ウチまで来てくれるの?」

○○「家まで行くって。車で行くらしいから住所メールしといて」

俺「お前はどーすんの?来て欲しいんだけど」

○○「行く行く」

俺「金、後でも大丈夫かな?」

○○「多分大丈夫じゃね?」

俺「分かった。近くまで来たら電話して」


何とも段取りの悪い話だが、若僧だった俺には仕方の無い事だった。


その晩、夢を見た。
寝てる俺の脇に、白い和服をきた若い女性が正座していた。 俺が気付くと、三指をつき深々と頭を下げた後部屋から出ていった。
部屋から出る前にもう一度深々と頭を下げていた。
この夢がアイツと関係しているのかは分からなかったが。


翌日、昼過ぎに○○から連絡が来た。 電話で誘導し出迎えた。

来たのは○○とその友達、そして三十代後半くらいだろう男が来た。

普通の人だと思えなかったな。 チンピラみたいな感じだったし、何の仕事をしてるのか想像もつかなかった。
俺がちゃんと説明していなかったから両親が訝しんだ。

まず間違いなく偽名だと思うが男は林と名乗った。

林「T君の話は彼から聞いてましてね。まー厄介な事になってるんです。」
(今さらですまん。Tとは俺、会話中の彼は○○だと思って読んでくれ。)

父「それで林さんはどういった関係でいらしていただいたんですか?」

林「いやね、これもう素人さんじゃどーしようもなぃんですよ。
お父さん、いいですか?
信じられないかも知れませんがこのままだとT君、危ないですよ?」

林「で、彼が友達のT君が危ないから助けて欲しいって言うんでね、ここまで来たって訳なんですよ」

母「Tは危ないんでしょうか?」

林「いやね、私も結構こういうのは経験してますけどこんなに酷いのは初めてですね。この部屋いっぱいに悪い気が充満してます」

父「…」

父「失礼ですが、林さんのご職業をお聞きしても良いですか?」

林「あー、気になりますか?ま、そりゃ急に来てこんな話したら怪しいですもんねぇ」

林「でもね、ちゃんと除霊して、辺りを清めないと、T君、ほんとに連れて行かれますよ?」

母「あの、林さんにお願いできるでしょうか?」

林「それはもう、任せていただければ。
こーいうのは私みたいな専門の者じゃないと駄目ですからね。

ただね、お母さん。
こっちとしとも危険があるんでね、少しばかりは包んでいただかないと。ね、分かるでしょ?」

父「いくらあればいいんです?」

林「そうですね〜、まぁ二百はいただかないと…。」

父「えらい高いな!?」

林「これでも彼が友達助けて欲しいって言うからわざわざ時間かけて来てるんですよ?
嫌だって言うならこっちは別に関係無いですからね〜。
でも、たった二百万でT君助かるなら安いもんだと思いますけどね」

林「それに、T君もお寺に行って相手にされなかったんでしょう?
分かる人なんて一握りなんですわ。また、一から探すんですか?」


俺は黙って聞いてた。
さすがに二百万って聞いた時は○○を見たが、○○もばつの悪そうな顔をしていた。

結局、父も母も分からないことにそれ以上の意見を言える筈もなく、渋々任せることになった。


林は早速今夜に除霊をすると言い出した。
準備をすると言い、一度出掛けた。(出がけに両親に準備にかかる金をもらって行った)

夕方に戻ってくると、蝋燭を立て、御札のような紙を部屋中に貼り、膝元に水晶玉を置き数珠を持ち、日本酒だと思うがそれを杯に注いだ。
何となくそれっぽくなって来た。

林「T君。これからお祓いするから。これでもう大丈夫だから」

林「お父さん、お母さん。すみませんが一旦家から出ていってもらえますかね?もしかしたら霊がそっちに行く事も無い訳じゃないですから」

両親は不本意ながら、外の車で待機する事になった。
日も暮れて、辺りが暗くなった頃、お祓いは始まった。

林はお経のようなものを唱えながら一定のタイミングで杯に指をつけ、俺にその滴を飛ばした。

俺は半信半疑のまま、布団に横たわり目を閉じていた。林からそうするように言われたからだ。

お祓いが始まってから大分たった。

お経を唱える声が途切れ途切れになりはじめた。
目を閉じていたから、嫌な雰囲気と少しずつおかしくなってゆくお経だけが俺に分かることだった。


最初こそ気付かなかったが首がやけに痛い。
痒さを通り越して、明らかに痛みを感じていた。


目を開けまいと、痛みに耐えようと歯を食いしばっているとお経が止まった。


しかしおかしい。


良く分からないが区切りが悪い終り方だったし、終わったにしては何も声をかけてこない。 何より、首の痛みは一向に引かず、寧ろ増しているのだ。

寒気も感じるし、何かが布団の上に跨がっているような気がする。

目を開けたらいけない。それだけは絶対にしてはいけない。分かってはいたが…。開けてしまった。

目を開けると、恐ろしい光景が飛び込んできた。

林は、布団で寝ている俺の右手側に座りお祓いをしていた。

目を開けると、林と向き合うように俺を挟んでアイツが正座していた。 膝の上に手を置き、上半身だけを伸ばして林の顔を覗き込んでいる。

林の顔とアイツの顔の間には拳一つ分くらいの隙間しかなかった。

不思議そうに、顔を斜めにして、梟のように小刻みに顔を動かしながら、聞き取れないがぼそぼそと呟きながら林の顔を覗き込んでいた。
今思うと林に何かを囁いていたのかもしれない。

林は…少し俯き気味に、目線を下に落としたまま瞬きもせず、口はだらしなく開いたまま涎を垂らしていた。少し顔が笑っていたように見えた。 時々小さく頷いていた。

俺は、瞬きも忘れ凝視していた。

不意にアイツの首が動きを止めた。 次の瞬間、顔を俺に向けた。

俺は…慌てて目をギュッと閉じ、布団を被りひたすら南無阿弥陀仏と唱えていた。
俺の顔の間近で、アイツが梟のように顔を動かしている光景が瞼に浮かんできた。 恐ろしかった。

ガタガタと音が聞こえ、階段を駈け降りる音が聞こえた。 林が逃げ出したようだ。

俺は怖くて怖くて布団に潜り続けていた。

両親が来て、電気を着けて布団を剥いだとき、丸まって身体が固まった俺がいたそうだ。

林は、両親に見向きもせず車に乗り込み、まっていた○○、○○の友達と供に何処かへ消えていった。
後から○○に聞いた話では、「車を出せ」以外は言わなかったらしい。

解決するどころか、ますます悪いことになってしまった俺には、三週間先のS先生を待っている余裕など残っていなかった。

リアルCへ続く
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