夢鬼A

「ここはどこだ?やけに暗いな…あ!」

ズボッ…


俺は不意に冷たい何かに片足を突っ込んだ。

和式のトイレだった。


「うわーきたねー、最悪だよ。とりあえずここから出よう。」


俺はトイレのドアを開き、外へでる。そのさきは廊下だった。

そのトイレの扉の上にはには男子トイレと書かれていた。

この景色、見覚えがある。俺達の学校だ。

俺達は夢鬼をやることに成功したんだ。

でも何でだ?灯りが無さ過ぎる。そして静か過ぎる

夜の学校ってこんなに暗くて静かなのか…

それよりも皆はどこにいるんだ?

そんな事を思いながら、夜の学校の中を進んだ。


カツン、カツン。


その時、階段から誰かの足音が聞こえた。


「だ、誰だ!」


俺はビビりながら声をかける。


「よかったー、私1人じゃなかったんだ。」


そう言ってきたのはEだった。

俺「他の奴には会ったか?」

E「いや、○○(俺の名前)が初めて。本当にこれ夢の中なのかな…なんか凄い怖いんだけど…」


俺「夢にしては凄いリアルだよな…でもいつもの学校と雰囲気が違い過ぎる。
そうだ、お前最初どこにいた?俺はあそこの男子トイレだった。」


E「私は2階の廊下からだったよ。そして階段を降りてきたら○○が居たの。」


どうやら皆スタート時は別々の所かららしい。
ということは他の奴等もどこかにはいると言う事か。

俺「まず皆を探そう。そして鬼がいるかもしれないから静かにな。」


E「うん、わかった。でも○○、さっきでかい声出してたよ。」


俺「………」


まあいい、これからは静かにだ。

さっきの声で誰か気付いたかもしれないしな。

俺とEは静かに進んだ。
内心ビビっていた。本当にあの夢鬼をやっている。

正直怖い…今更ながら後悔もしていた。
でも隣のEはもっと怖いはずだ。だから男の俺がしっかりしなくては…


「ねえ、鬼って誰なんだろうね?鬼は最初からいるって言ってたじゃん。あれって私達ではないって事だよね?」


Eが小声で俺の耳元で話した。


俺「ああ、多分な。最初の鬼は俺達ではないだろうな…
最初の鬼には捕まりたくないな…誰だかわかんない奴になんか…」


E「私も!絶対最初だけは嫌だ。」


そう二人で決意し、暗い学校の中を進んだ。
進むと、玄関が見えてきた。

外に出られるのか…そう思い、扉を開けようとする。

俺「ダメだ、開かない…ここもダメ…じゃあ窓とかは。」


玄関の扉、廊下の窓、全てを試したがどれも開かなかった。


ガン!ガン!


試しに辺りにあった消火器などで割ろうとしたがビクともしない…
割れても夢の中だから問題ない。そう思い試したがダメだった…


俺「ダメだ、開かないし、割れない…俺達…閉じ込められたかもしれない…」


そう言うとEは泣き始めた。
Eは最初から乗り気じゃなかったみたいだし…
仕方なく参加した程度だろう。


俺「大丈夫、鬼ごっこが終われば出れるよ。だから最後まで頑張ろう。」


E「そうだね、ただの鬼ごっこだしね。所詮夢なんだし。なんで泣いてんだろ私。」


よかった、泣き止んだ。そう、これはただの夢。

鬼ごっこが終わらなくても目が覚めれば終わる夢。
何をそんなに怖がる必要がある。

そう思っていた時、遠くの廊下から足音が聞こえた。

段々近付いてきている…


しかも走ってきている…


誰だ…あいつらの誰かか?

でも、もしかしたら鬼かもしれない…


しまった…さっき窓を割ろうとする時、でかい音を立てすぎた…


今更ながら失敗に気付く…

俺「E、とりあえず隠れるぞ。あいつらの誰かかもしれないけど、鬼かもしれない。姿を確認したら声をかけよう。」


E「うん、わかった。」


俺とEは玄関に置いてある掃除道具が入っているロッカーに身を隠した。

ロッカーの隙間からちょうど玄関が見える。

玄関は月明かりのおかげで他の所よりも明るい。

だから姿が確認しやすい。

カツン、カツン


誰かが近付いてくる。

もうすぐそこまで来ている。


カツン、カツン


人影が見えた。


!!!!!


思わず声を上げそうになったが必死に自分の口を手で押さえる。

Eも同じ行動をしていた。

カツン、カツン


近付いて来る。

そいつはあいつらじゃなかった。

いや、あれは人間なのだろうか…

姿は人の形をしているが全身が真っ黒だ。

廊下などだったら見えないかもしれない…

月明かりのおかげで姿が確認出来た。


カツン、カツン


そいつは尚も近付いてくる。

そして俺達が隠れているロッカーの前に立ち止まった。

そいつと目があった気がした。

だがそいつの目は目と言えるものじゃない…

目の部分が空洞になっている。

分かりやすく言うと影だ。自分の影が目の部分だけ影になっていない。

つまり目の部分だけが黒くなく、何もない。

大きさは拳一個くらいだろう。

そんな奴が今、俺達は目の前にいる…

なんなんだこいつは…

もう恐怖でしかなかった…

その時…


「おーい、誰かいないのかー?」


遠くから誰かの声がした。

そいつはその声に向かって走り出した。

一瞬の出来事なのに、とても長く感じた。

もう汗どころか失禁してい
た…

だってまだ小学生なんだ。いや、小学生じゃなくてもあれは怖いだろう…


俺「E、まだ出るな!近くにいるかもしれない、まだだ!」



E「………」


もう恐怖で言葉が出ないのだろう…


間違いない。


あいつが鬼だ!


夢鬼だ!


俺達はとんでもない遊びをしてしまったらしい。

早く夢が覚めてくれ…

今はそう願うしかない…

あんなやつが鬼?

あいつから逃げることがどれだけ怖いことか…

たとえ夢だとしても、怖すぎる…

そう思いながらくロッカーに居た。


「うわー!なんだお前!来るなよ、こっち来ん…○☆◎◇★…」


遠くで誰かの叫び声がした。


誰だろう…


誰かがあいつに捕まったのかな…


でもあいつが鬼じゃないなら別にいい。


他の奴は知っている奴なんだから…


その時はそう思っていた…

夢鬼Bへ続く
怖いサイト.com
ベストヒットナビ
感想・雑談はコチラ
もっと探す@AB
[戻る]
- mono space -