夢鬼E

「〇〇君、どうしたの?何でそんなにEちゃんを起こそうとしているの?
そりゃ、先生も起きて欲しいって思っているけど・・・」

俺「いや・・・別に・・・ただ・・・ちょっと・・・」

先生が俺の行動を不思議そうに、見つめながら俺に話す。

先生「もう少しだけ寝させてあげましょう。初めてのお泊り会で興奮して、昨日なかなか寝付けなかったのかしら?それよりも〇〇君は早く朝ごはんを・・・」


!!!!!!


先生が急に俺の手を掴んだ。Eが枕の下に敷いていた写真を握っている手を・・・

先生はその写真を取り上げ、裏を見る。その瞬間、先生の顔色が変わった。
そして俺を廊下へと連れて行く。辺りに誰か居ないか確認し、俺に話しかける。

先生「この写真はEちゃんのなのね?そして〇〇君はこの写真が何なのかを知っているのね?どうなの!答えなさい!」

いつも温厚な先生が明らかに怒っている・・・
今までこんな顔の先生は見たことが無い・・・

俺「いや・・・その・・・」

先生「早く答えなさい!」

俺「はい!それはEのです!そして俺は・・・いや・・・俺達は写真が・・・何なのか知ってます。
でも先生!俺、こんな事になるなんて思っても・・・」


バチン!!


俺が言いかけた所に先生は、俺の頬を平手で殴った・・・
先生は泣いていた・・・そして俺を抱きしめる・・・
すると先生は一旦、皆が居る教室に戻った。


先生「少し皆は待っていて下さい!先生が戻ってくるまでちゃんとこの教室に居てください!」


そういい残し先生は俺の手を握り、校長室へと連れて行った。
教師に殴られるなんて・・・俺は何がなんだか分からず頭が真っ白になった。
ただただ先生の後を付いて行った・・・


先生「校長先生!この子、昨晩、夢鬼をやったみたいなんです!
この写真が証拠です。」


先生は、校長にそう話し、写真を見せる。俺はもう泣いていた・・・


校長も写真を手に取ると、顔色が変わった・・・


校長「まさか・・・あの夢鬼をこの子がやったのか・・・なんて事を・・・
あの事件以来、もう絶対こんな事は起きないと思っていたが・・・
君、昨日何をしたのか詳しく話すんだ!特に誰とやったかだ!
早く!」


校長も俺に怒鳴りつける・・・やはり先生達大人は、夢鬼について知っているらしい・・・
俺は精一杯昨日の出来事を説明した。


校長「もういい、十分分かった。
〇〇先生!(先生の名前)この子が言った、夢鬼を一緒にやったという生徒もここに連れてきて下さい。そして、その子達以外は家に帰してください。
そしてEという生徒もここに連れてきて下さい。」

先生「分かりました。他のクラスの先生にも伝え、他のクラスの生徒達も家に帰します。」

校長「決して他の生徒には、夢鬼について知られないように・・・」

先生「もちろんです!」

そういい残し、先生は勢いよく、校長室を出て行った。
そして校長は誰かに電話をかけていた・・・

何と言って他の生徒を家に帰したかは、俺には分からない。
ただ夢鬼の事は一切語らずに帰したのは確かだ。

バタン!

しばらくして、先生が校長室に入ってきた。背中にEをおんぶしながら・・・
その後に、A、B、C、D、Fも続いて入って来た。
彼らは何が何だか分からない様子だった。


B「おい!〇〇!何がどうなっているんだ?」

俺「・・・・・・・・」

俺は答えられなかった・・・もう頭の中は真っ白・・・
あるのは、もの凄い罪悪感だけだった・・・

先生はEを校長室にあるソファーの上に寝かせ、校長に向かって口を開いた。


先生「校長先生、この子達以外の生徒達は家に帰しました。
私は今から、この子達の親御さんに連絡します。」

校長「分かりました。親御さんにはあそこに来るように伝えてください。
その後、私と〇〇先生、教頭先生とで、この子達も連れて行きます。」


先生は教務室へ戻った。その後すぐに、他のクラスの先生、教頭が入ってきた。
皆顔色が悪い・・・その状況が俺達に、事の重大さを分からせるには十分だった。


校長「いいか、君たちはとんでもない事をしてしまったんだ。
そして君たちはまだ小学生だが、この事について知る義務がある。
だから〇〇先生が戻ってきた後、ある所に連れて行く。

私と、教頭先生、〇〇先生以外の先生方は、他の生徒の親御さんから電話が来るかもしれないので、学校に残って対応して下さい。

急に家に帰されたとなっては、何かあったと思うのが普通です。
その時は正直に夢鬼を行った生徒がいて、帰したと伝えてください。

そしてお子さんには絶対に夢鬼について言わないで下さいという事も。」


他のクラスの先生達「分かりました。」


そう言うと、他のクラスの先生達は教務室へ戻って行った。
しばらくし、〇〇先生が戻ってきた。


〇〇先生「この子達の親御さんに連絡が取れました。あそこに来てくれるそうです。」

校長「分かりました。では私たちも・・・」


校長はそう言い、俺達を自分達の車へと連れて行く。
校長の車にはAとBとCが乗り、教頭の車にはDとFが乗った。

そして〇〇先生の車には俺と、Eが乗った。
〇〇先生はEを後部座席に寝かせ、俺を助手席に乗せた・・・

そして俺達を乗せた車は、どこかへ向かう・・・


俺「先生・・・俺達・・・どうなるんですか?・・・Eは大丈夫なんですか。」

先生「・・・・・・分からないわ・・・今は何も言えない・・・
私がもっとしっかりしていれば・・・こんな事には・・・ごめんね、叩いたりして・・・」


先生は泣いていた・・・泣きながら車を走らす。
俺は先生の顔を見ることがもう出来なかった・・・

俺は後部座席で寝ているEを見る。本当にぐっすりと寝ている。
このまま・・・目が覚めなかったらどうしよう・・・
もしそうだったら、俺のせいだ・・・俺がEに触ったから・・・
そのせいでEは最後の鬼になったんだ・・・

まだあの暗い学校に一人でいるのだろうか・・・

しばらくし、車は止まった。止まった場所は俺の地域にある小さな寺だった。
ここには来たことがない・・・
なぜなら、親に絶対にここには近づくな、と言われていたからだ。
多分他の皆もそうだろう・・・子供は皆、ここに来ることを禁止されていたと思う。


先生「着いたわ。降りなさい。」


先生はEをおんぶし、俺と一緒に寺に向かう。俺とE以外の奴らも校長、教頭に連れられ、寺に向かった。

皆顔色が悪い・・・校長、教頭にある程度の事は教えられたらしい・・・

寺の近くに大きな岩があった。その岩の周りには誰かが入らないように、ロープで囲われていた・・・


校長「電話をした〇〇小学校(俺たちの小学校)で校長をやっている〇〇(校長の名前)です。
そして・・・この子達が夢鬼をやってしまった子達です・・・」


寺の前で待っていたのは、年を取った住職だった。この人が何か知っているのか・・・


住職「そうか・・・この子達が・・・
そして彼女が背負っている女の子が、犠牲になった子かい?」

先生「はい・・・この子が最後の鬼になったみたいです・・・
まだ小学生なのに・・・。」

住職「やはりそうか・・・まさかまた夢鬼をやる子供がいるとは・・・
立ち話もなんだ、こちらに入りなさい。」


そう言うと住職は俺達を寺の中へ案内した。
まずは落ち着きなさいと俺たちにお茶を出す。でもお茶なんか飲める心境じゃない・・・

皆もお茶など飲まずに、下を向き、黙っていた・・・


校長「私達はこの子達の親御さんを、寺の前で待っています。」

住職「そうじゃな。ではわしは、これからこの子達に真相を話す。そして話が終わるまでこの部屋には入って来ないように。もちろん、親御さんもじゃ。
眠っている子は親御さんに返そう・・・その方がいい・・・」

校長「分かりました。」

先生「これがこの子が持っていた写真です・・・」


そう言い、先生は住職に写真を渡す。
そして、校長達はEを連れて出て行った。


住職「さて・・・」


そう住職は言うと、俺たちの前に座り、話し始める。


住職「まずどうやって夢鬼について知った?誰から聞いた?・・・黙っていては何も分からん。
怒らないから話すのじゃ。」


俺達はDの方を見る。Dは泣きそうになりながら話始めた・・・


D「私が皆に夢鬼をやろうと言ったの。夢鬼の事はこの紙に書かれていたの・・・
図書館の本に挟まっていて、それを私が見つけたの・・・あとこの写真も・・・」


そうDは住職に言い、紙と写真を渡す・・・


住職「何故これがここにある!写真の名前も消えている・・・まさか・・・」


住職は電話をどこかへかけ始めた。


住職「・・・ダメだ・・・繋がらん・・・ならば・・・」


住職はまたどこかへ電話をかける。


住職「・・・わしじゃ!お前たちの後に夢鬼をやった子達がいる。
そしてあの子の名前が書いてある写真から、あの子の名前が消えた!
そうじゃ、消えたんじゃ!だからあの子はもう目が覚めているかもしれない。

お前に電話をかける前に、あの子の家に電話をかけたが誰も居ないらしく、電話に誰も出なかった。

だからお前はまずあの子のいる病院へ行き、目が覚めているか確認しろ!
その後にここに来い!いいな!」


ガチャ!


住職は一呼吸し、俺たちに話し始める。


住職「今電話をしたのはお前達の前に夢鬼をやった者じゃ。
そして当時最後の鬼になった者の所に、向かわせた。

じきにここに来るじゃろう・・・だがその前にお前達に話さなければならない事がある。
夢鬼についてじゃ。」


住職はついに俺達に夢鬼の真相を話し始める。


住職「まず夢鬼と言うのは通称の名じゃ。本当の名は[鬼封じ]と言う。
昔、この地域には鬼が居てな・・・その鬼は子鬼を連れて村に行き、常に悪さをしておったらしい。

その鬼は人間等では、相手にならなかった。抵抗はしていたがな・・・そして村はその鬼の好き勝手にされていた・・・

その時、当時この寺の住職だった者が[鬼封じ]を作ったんじゃ。
ある儀式をしてな・・・その儀式についてはわしにも分からない。
その[鬼封じ]というものが、お前達がやった夢鬼じゃ。

住職は鬼に提案した。これをやり、私に勝てばもう抵抗はしない。
お前の言うことは何でも聞く。と言い鬼に提案したのじゃ。

鬼は人間など完全になめていたから、どうせ俺には勝てないと言い、その提案に応じた。
鬼はその時は、面白半分でやったのだろう。

そして[鬼封じ]が行われたのじゃ。でもこれは住職の作戦だった。
[鬼封じ]を行ったのは住職と鬼だけ。そして住職は[鬼封じ]を行った後の事を寺の者に伝えていた。

すぐに私を殺せと・・・そうすれば鬼は目を覚ます事はできない。触れられる者は居なくなるからじゃ・・・

そして[鬼封じ]が行われたあとすぐに、住職を殺し、村の者は鬼の所へ向かい、子鬼達を殺した。子鬼は人間でも殺せたからじゃ。そして寝ている鬼をこの寺に運び、頑丈な箱に入れて閉じ込め、穴を掘り、埋めてその上に岩を置いた。

その岩と言うのが寺の近くにあるあの岩じゃ。
これで何もかも終わったはずじゃった・・・じゃが終わらなかった。

鬼の名前がいつまで経っても消えなかったんじゃ。
名前は目が覚めるか、その者が寝ている時に死ぬかしたら消える。
だが名前は消えていない。という事は鬼はまだ生きている。そう思うだけで、恐怖だったらしい。

夢鬼Fへ続く
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