夢鬼I

2009年、11月15日、Eは死んだ・・・
正式には殺された・・・自分の母親に首を絞められて・・・
この事は、夢鬼の事がある為、公にはされなかった。

Eの母親は重い病気にかかっていたらしい・・・
自分の娘が一生目を覚まさない・・・それによるショックも原因だったのかもしれない・・・

Eの医療費は全部、母親が出していた。俺達の親も責任を感じ、毎月づつ、少しだが渡していたらしい。
母親は毎日働きながら、Eの看病をしていたらしい・・・
毎日、毎日、Eの手を握り、話しかけていたらしい・・・

皆早く夢鬼を終わらせたいと思っている・・・
だから地域の人達はEにお金など何も出さなかった。
Eが死ねば全て終わるのだから・・・

皆、Eが早く死ぬことを望んでいた・・・
前回の事もあったため、Eの母親は、注意深く、監視されていたらしい・・・



自分が死んだら誰もEの面倒を、見てくれる人が居なくなるかもしれない・・・
本当にEは一人ぼっちになってしまう・・・
誰からも見放され、死んでいくのかもしれない・・・

それなら私がEを殺す・・・そして私も死ぬ・・・
もうEをあの悪夢から開放してあげたい・・・
開放するにはEは死ぬしかない・・・

もう、この子に辛い思いをさせたくない・・・
E・・・お母さんを許してね・・・
そして・・・あの世では・・・笑って生きてね・・・

これはEの母親が残した遺書に書かれている内容だった・・・

そこまで、思いつめていたとは、誰も気がつかなかったらしい・・・

Eが夢鬼の被害者だと言うことは、ごく一部の人間にしか、伝えられていなかった。
それは、Eを殺させない為、そして、俺達を守るためだった・・・
それはHの時にも言える事だ。

Hはあれから、遠くに引越したらしい・・・その事は、Gから聞いた。
空気が綺麗な所で、Iと一緒に今は暮らしているらしい・・・

医者も、Hが夢鬼の被害者だとは知らなかったらしい。だからHが目を覚ました時、驚いていた・・・
Eの時は、さすがに教えられたみたいだが・・・

住職はあれから5年後に亡くなった・・・
俺達は毎年お盆には、住職の墓に墓参りに行っている。
住職は住職の奥さんと一緒の墓に入っている。
あの世で、やっとまた二人で、会話などをしているのだろうか・・・

そう思いながら、毎年、墓に手を合わせた・・・


俺達6人は、Eの葬式に出席した。
そこにはEと、Eの母親が隣同士で寝ていた・・・
Eの顔を見る・・・

本当に寝ているような顔だ・・・
とても死んでいる人間の顔には見えなかった・・・
もう、あの悪夢は見ていないのだろう・・・

それだけでも・・・幸せなのかもしれない・・・

Eの葬式では「やっと死んだか」「これで本当に終わったな」
など口にしている奴がいた・・・

よくそんな事が言える・・・

Eは・・・Eはずっと一人ぼっちで・・・

あの暗い学校に居たんだ・・・
ずっと辛かったんだ・・・

辛い訳がない・・・

まだ小学生だったんだ。
それから一度も目が覚めることなく・・・死んだんだ・・・
恋愛をすることも、夢を叶える事も・・・何も出来ないまま・・・

そうさせてしまったのは俺達だ・・・
そして、俺達が、Eを殺した様なものだ・・・

俺達は・・・Eの手を握り、謝る事しか出来なかった・・・

そして・・・夢鬼は・・・終わった・・・

俺達はEの葬式のあと、夜のファミレスに行き、皆で話し合った・・・

Eはこのまま忘れさられてしまう・・・

俺達が死ねば、Eの事はだれも覚えていない・・・
俺達が、一番若い、夢鬼を知っている人間だから・・・

こんな悲しい事を、忘れてほしくはない・・・
こんな悲しい事が、現実にあり、多くの人間を巻き込んだ・・・
その事を、少しの人にでも知ってもらいたい・・・

そう話し合い、俺は、このサイトに「夢鬼」の事を書くと決めたんだ。
俺が、Eを最後の鬼にしてしまったから・・・
俺が、書くと決めた・・・
そう言うと、皆も納得してくれた・・・

実際書くと決めたが、当時の事を思い出すと、やっぱり辛い・・・
辛くなり、なかなか、書けなかった・・・


でもなんとか間に合った。

今日はEの誕生日・・・20歳の誕生日の日なんだ・・・

どうしても俺は、今日までに、書き終えたかった・・・
深い理由などはないけど・・・どうしても、今日、書き終えたかったんだ・・・
そして、誕生日おめでとうと・・・言いたかった・・・

そして俺は今、大学に通い、教師を目剤している。
他の皆も、夢に向かってそれぞれ頑張っている。

それは、Eの夢だった、教師になるという理由もあるが、小学校の時の担任に俺は、凄い救われたから・・・
俺は、先生に、大切な事を、いっぱい学んだから・・・
だから俺も、教師になりたいと思ったんだ。

そして子供達にも教えたい・・・

少しの好奇心で、一生後悔する事がある

少しの好奇心が、人を一生不幸にする事がある

そして、自分が不幸だと思っても、絶対に自分より、不幸な人間がいるという事。

だから、どんなに辛くても、逃げてはいけないと言う事。

俺が学んだ事を、子供達にも、教えていきたい・・・

それが、俺に出来る、唯一の事だから・・・

もちろん、夢鬼の事は語らずに。

俺は、子供達に、生きると言う事の、難しさと、大切さを、教えていきたい。

Hの母親や、Eの母親がした事を正しい事だとは思っていない・・・
でも、二人とも、自分の子供の事を思ってした事・・・
そして、昔の村長達がした事も、他の人を思ってした事なんだ・・・

だから俺は、この人達を、責める事は出来ない。

そして、俺は一人の大切な友達を、犠牲にしてしまった事も・・・

絶対に忘れない・・・

「E、誕生日おめでとう」






最後まで読んでくれた方々、本当にありがとうございます。
当時を思い出して書いていましたが、途中、やはり、辛くて、書くのを止めようかと思った時もありました。
でも、Eの事を少しでも知ってもらいたい、そう思い、今まで書いてきました。

これは現実に実際に起こった事です・・・
実際にあの寺もあり、そこにはあの岩もあります。
だから、俺が経験した事を、そのまま書きました。

初めてこんなに長い文章を書いたため、分かりにくかったり、誤字や脱字もあったかもしれません。
初めて、このようなサイトに、投稿したため、最初はミスを犯してしまいました・・・
そして、当時の状況を詳しく書きたかった為、長くなってしまいました・・・
その事を、ここで、お詫びいたします・・・


そして、最後に、謝らなければいけない事があります。

それは夢鬼をやる方法について・・・

気付いている人もいるかもしれない
それは夢鬼を行う為に唱える言葉。それが本当は違うんです。
正式には、「夢鬼さん」と唱えるのではなく、あの岩の下に居る、鬼の名前を唱える事。
だから、何故、夢鬼という言葉は、通称の名なのに、夢鬼と唱えれば夢鬼が出来るのかと、思った人もいるかもしれません。
何故、この様な事をしたかと言うと、この話を読んでいる人に、夢鬼をやらせない為・・・
好奇心で、やってしまう人もいるかもしれないと思ったからです。

今はもう鬼はいない・・・だからもし、夢鬼をやってしまったら、目覚める事が出来なくなるかもしれない・・・
もしかしたら、もう何も起こらないかもしれません。
それに、俺はただ、Eの事を、書きたかった・・・
Eの事を、少しでも知って欲しかっただけだから・・・
だから、話を分かりやすくする為に、嘘の方法を書きました・・・
そのことについても謝ります。

そして、俺は今でも、あの悪夢を見ます・・・
でも俺は、これからもずっと、一生懸命、生きていくつもりです。
それが俺に出来る、唯一の償いだから・・・
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