邪霊の巣窟A

死を覚悟して目をつむると自分にしがみついている老婆が。
「おいで・・おいで・・・こっちにおいで・・」
と頭に直接響くような声で呟いてきました。
自分はそれを聞いた途端に死を覚悟したはずが物凄い恐怖心を感じ、思わず目を開いてしまいました。
すると老婆が自分の身体をはい上がって来ていて顔が目の前に有りました。
自分は力の限り叫びましたがあんなに大きく叫んでいたのに近所の人は何故気づかないのかと思っていました。そして兄の友達はどうしたのだろうと思い兄の方を見ると・・・。
兄は子供たちに神社の奥へ引きずられて行ってました。自分は必死で助けを求めて叫びました。
すると背後から聞いた事ある声が聞こえました。
「もう大丈夫だよ」
その声を聞いた途端に身体が軽くなりました。振り返ると昼間に会ったあの男性でした。後ろからは大人たちが大勢やって来ていました。怒ってる声や心配している声も聞こえました。
「助かった?」
と思い、兄を見るとなんとか無事なようでほっとして腰が抜けてしまいました。男性たちが心配そうに声をかけてくれていると兄が
まだ奥に何人かいる事を告げると男性の顔色が変わり「まずい!!早く助け出さないと大変だ!!」
と言って数人の大人たちと走って行きました。
それから兄の友達は神社の中で見つかりました。
変わり果てた姿で・・・。命は助かったけど精神をやられていたそうでその人たちはそのまま町から出て病院へ行き入院したそうです。自分たちは皆にこれ以上無いくらいに叱られました。母親たちは泣いていました。
その後で聞いたのですがあの神社は元は普通の神社でそれなりの力を持った住職がいたそうです。しかしなまじ力が強い為、助けを求める霊が次々と集まって来て最初はきちんと対処していた住職もやがて堪えられなくなりそのまま逃げ出したそうです。
本来、住職が居なくなったり取り壊されてしまう神社はちゃんとした儀式などを行い場を清めてから祭ってる神を別の場所に移すという事をしなければならないそうですが。
この神社はそのまま放置された為、祭ってる神がいるのに祭る住職が居ない、そしてまだ助けを求める霊が集まって来ているという事から神の性質が異常をきたし結果、邪霊の住家となってしまったとの事でした。男性は町から依頼されて退魔士関係の本山から派遣されて来ていた人物だそうです。
その人が言うにはこの神社は過去に例が無いくらいに酷い状態だそうで浄化するにはかなりの期間が必要と言っていました。
自分たちはお祓いを受けてそのまま帰されました。
もう絶対にあの場所には近づかないと決めました。
あんな思いは沢山だと思いました。





あの事件はまだ始まったばかりだったんです。数年後・・・あの時とは比べものにならない恐怖を味わう事になりました。
自分が中学3年になった時にクラスで何かと目立つ存在のMがこともあろうにあの神社で肝試しをやると言いはじめたのです。
自分と自分彼女(現妻)のAも誘われましたがそれが引き金となり、また兄や町を巻き込む事件が起きてしまいました。

邪霊の巣窟Bへ続く
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